米の作況「99」 来年産適正生産量 上方修正へ-農水省2020年10月30日
農林水産省は10月30日、10月15日現在の2020年産水稲の予想収穫量を公表した。9月15日現在の生産量見込みより12万t少ない約923万tと見込まれる。作況指数は2ポイント低下して「99」となった。10月16日に開いた食糧部会で農水省は9月15日現在の生産量見込みをもとに、2021年産米の適正生産量を679万tと示していたが、20年産の生産量が当初見込みより減ることから21年産の適正生産量を691万tと12万t上方修正する。
20年産比 7万ha削減は必要
9月15日現在の作況指数は「101」だったが「99」に下方修正した。10a当たりの予想収量は8kg下方修正し531kgとなった。これにより主食用米の生産量見込みは722万9000tとなった。
農水省は近く食糧部会を開き、適正生産量を上方修正するなど、2021/22年の需給見通しの変更を諮問する。上方修正するものの、2021年6月末の民間在庫量を201万t以下にするには21年産は20年産より32万tの削減が必要となる。
食糧部会に農水省は2015年産で過去最大となる6.8万haの削減を行った場合の試算として692万tを参考値として示した。需給を維持するには、当初の10万ha削減の取り組みまでは求められないにせよ、7万ha近くの削減が必要だ。農水省は各地での来年産に向けた話し合いを早めてもらうため11月前半には食糧部会を開く方向で検討している。
北日本「良」、九州「不良」
9月15日現在の作況指数から上昇したのは3道県。北海道は106の「良」、東北は104、北陸は102の「やや良」となった。これらの地域では初期成育が順調で全もみ数が確保され、登熟も順調に推移し作柄が平年を上回った。一方、東海から西はトビイロウンカの被害、登熟期の日照不足などで登熟が不良となった。九州では9月上旬の台風の影響もあって作柄が平年を下回った。東海は95、四国、近畿は96、中国は92の「やや不良」となり、九州は85の「不良」となった。九州は昨年は86、2年連続で「不良」となった。また、トビイロウンカの被害が大きかった山口県は73となった。
ウンカ被害による坪枯れで収量が低下したことに加えて、ウンカ被害を回避するために早めに収穫したことによる単収の低下、さらに日照不足による粒張りの未熟なども要因と考えられるという。10月15日時点での刈り取り済面積は全国で91%だった。
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