2021年産米 全国作況「100」 北海道108 熊本942021年10月12日
農林水産省は10月12日、2021(令和3)年産水稲の作付面積と予想収穫量を発表した。9月25日現在の全国作況は「100」の「平年並み」の見込みとなった。ただ、北海道108、東北102など主産地では「やや良」から「良」となった。一方、九州では熊本が94と「不良」となるなど、西日本の作柄が良くなかったため全国作況は平年並みとなった。
2021(令和3)年産水稲の作付面積(青刈り面積を含む)は156万4000haで前年産にくらべて1万1000haの減少の見込み。水稲の作付け面積から、備蓄米、加工用米、新規需要米の作付け面積を除いた主食用作付け見込み面積は130万3000haで6万3000haの減少が見込まれる。
主食用の需給安定には全国で6万7000ha程度の主食用以外への作付け転換が必要だとされ、主産県を中心に取り組みが進んだ結果、6万3000ha減と達成率94%となった。
一方、9月25日現在の全国の10aあたり予想収量は539kgで予想収穫量は700万2000tの見込み。また、農家が使用しているふるい目幅ベースでの作況指数は平年並みの「100」が見込まれる。
農林水産省が7月に示した米の基本指針では21年産主食用生産量を693万tと見込んでいたが、約7万t多い700万tの見込みとなった。農水省によると単収が平年より10aあたり4kg増えたことと、わずかだが作付け転換未達の分が加わったという。
ただし、今年7月から来年6月までの需要量を703万tと見込んでおり、生産量がそれより少ないため農水省は「在庫は減る」との見方を示す。今後、需要量見通しも含め10月には新たな指針のなかで在庫見通しを示す。
作柄は北海道、東北は良好だ、北海道は田植え後に6月以降は高温多照で分げつも多く良好に生育、出穂以降も高温多照で登熟も良好に推移し、平成6年以来の「108」の見込み。
一方、新潟はもみ数は平年並みだったが、8月中旬からの低温と日照不足、また、台風9号の接近による風の影響で白穂や不稔が発生し、作況指数96の見込みとなった。
九州も6月中旬から7月下旬の日照不足、8月中旬からの低温日照不足で熊本が「94」となるなど、九州全体では「96」の「やや不良」となった。東海m北陸も「98」の「やや不良」の見込みだ。
農水省は米の指針策定を1か月早めて10月とする方針でそのために確度の高い調査結果を得るためにこれまでの9月15日調査を9月25日調査とした。これまでは刈り取り実測による調査ができたのは標本区の3割だったが、今回は5割まで増やすことができたという。昨年は9月15日現在の作況が101だったが、10月15日現在では99に低下した。そのため今後は9月25日現在の調査結果をもとに指針や対策等の検討が進められる。
重要な記事
最新の記事
-
【現地レポート・JAの水田農業戦略】新たな輪作で活路(2)子実コーンの「先駆者」 JA古川2024年3月29日
-
農業者所得増加へデジタルビジネス加速 農林中金 中期ビジョンを策定2024年3月29日
-
「子ども世代に農業勧めたい」生産者の2割 所得向上が課題 農林中金調査2024年3月29日
-
東京・大阪で組合長らが 「夢大地かもと」スイカをPR JA鹿本2024年3月29日
-
全国から1,000名を超える農業の担い手が集う 「第26回全国農業担い手サミットinさが」開催 佐賀県2024年3月29日
-
家族みんなで夏の農業体験はじめよう 食農体験イベント「土袋でデコきゅうり」開催 JA兵庫六甲2024年3月29日
-
(377)食中毒1万人は多いか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年3月29日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第96回2024年3月29日
-
【人事異動】全国農業会議所(4月1日付)2024年3月29日
-
品種で異なるメロンの味わいを体験 自由が丘「一果房」で29日から 青木商店2024年3月29日
-
第160回勉強会「レジリエントな植物工場運営・発展に向けて~災害からの復旧・復興事例から学ぶ」開催 植物工場研究会2024年3月29日
-
創立55周年記念 ガーデニング用 殺虫・殺菌スプレーなど発売 住友化学園芸2024年3月29日
-
「核兵器禁止条約」参加求める26万の署名 藤沢市議会が意見を採択 パルシステム神奈川2024年3月29日
-
尾鷲伝統の味「尾鷲甘夏」出荷開始 JA伊勢2024年3月29日
-
令和6年能登半島地震 被災地農家を応援 JA全農石川へ寄付 KOMPEITO2024年3月29日
-
林木育種センター九州育種場 九州育種基本区の「スギエリートツリー特性表」公表 森林総研2024年3月29日
-
農業フランチャイズのクールコネクト シードラウンドで3200万円を調達2024年3月29日
-
鳥インフル 米メイン州からの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年3月29日
-
畜産施設の糞尿処理で悪臭対策 良質な堆肥化を促進 微生物製剤を開発 B・Jコーポレーション2024年3月29日
-
水田のスマート水管理で東大大学院農学生命科学研究科と共同研究開始 ほくつう2024年3月29日