「コメ流通経費の高騰に理解を」 全米販が量販店など12団体に厳しい状況訴え2022年8月30日
全米販(全国米穀販売事業共済協同組合)の木村良理事長は8月29日、記者会見を開き、運賃や電力費などコメの流経費が高騰しているとして、量販店など12の業界団体に米穀販売事業者の厳しい状況に理解を求める要望を行ったことを明らかにした。木村理事長は「具体的な価格に触れることはできないが、国民に安心安全にコメをお届けするためのコストを見ていただき、この状況にご理解をいただきたい」と強調した。
コメ流通経費の高騰について説明する全米販の木村良理事長
全米販は今年6月にも量販店などの業界団体に流通経費高騰への理解を求める要望を行っているが、米卸業者が実需者との新米の価格交渉に入るタイミングに合わせて再度、流通経費の高騰の状況を調べたうえで要望を行った。
同団体によると、輸入農産物の原材料価格の高騰などで様々な食品価格が高騰する中、コメはほとんど唯一、店頭価格が下落している食品となっていると指摘。一方で、流通経費について調査したところ、運賃や電力費などが軒並み高騰していると強調した。
同団体の調査によると、産地から精米工場や量販店にコメを輸送する運賃については、すでに前年比4~20%値上がりしており、さらに年内に5~20%の上乗せ要請を打診されているという。精米工場の運用に必要な電力費については、前年比11~51%値上がりし、年内に値上げ幅が10%~80%に拡大すると見込んでいる。さらに包装容器代や人件費も右肩上がりで上昇しており、12団体に対して業界の窮状に理解してほしいと訴えている。
木村理事長は会見の中で、「流通経費の高騰の影響を受けても、なかなか売価に反映できず、むしろ値下げを求められるケースもある。流通諸経費の高騰への理解はぜひとも必要であり、うまくいかないと卸でもそろそろやめようかという人が出ないとも限らない。大変な苦境に立たされていることにご理解をいただきたい」と訴えた。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(146)-改正食料・農業・農村基本法(32)-2025年6月14日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(63)【防除学習帖】第302回2025年6月14日
-
農薬の正しい使い方(36)【今さら聞けない営農情報】第302回2025年6月14日
-
群馬県の嬬恋村との国際交流(姉妹)都市ポンペイ市【イタリア通信】2025年6月14日
-
【特殊報】水稲に特定外来生物のナガエツルノゲイトウ 尾張地域のほ場で確認 愛知県2025年6月13日
-
【注意報】りんごに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 岩手県2025年6月13日
-
SBS輸入 3万t 6月27日に前倒し入札2025年6月13日
-
米の転売 備蓄米以外もすべて規制 小泉農相 23日から2025年6月13日
-
46都道府県で販売 随意契約の備蓄米2025年6月13日
-
価格釣り上げや売り惜しみ、一切ない 木徳神糧が声明 小泉農相「利益500%」発言や米流通めぐる議論受け2025年6月13日
-
担い手への農地集積 61.5% 1.1ポイント増2025年6月13日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】生産者米価2万円との差額補填制度を急ぐべき2025年6月13日
-
井関農機 国内草刈り機市場を本格拡大、電動化も推進 農機は「密播」仕様追加の乗用田植え機「RPQ5」投入2025年6月13日
-
【JA人事】JA高岡(富山県)松田博成組合長を新任(5月24日)2025年6月13日
-
【JA人事】JAけねべつ(北海道)北村篤組合長を再任(6月1日)2025年6月13日
-
(439)国家と個人の『食』の決定権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月13日
-
「麦とろの日」でプレゼント 東京のららぽーと豊洲でイベントも実施 JA全農あおもり2025年6月13日
-
大学でサツイマイモ 創生大学と畑プロジェクト始動 JA全農福島2025年6月13日
-
JA農機の成約でプレゼントキャペーン JA全農長野2025年6月13日
-
第1回JA生活指導員研修会を開催 JA熊本中央会2025年6月13日