米沢市の酒蔵・小嶋総本店の契約農家「アイガモロボ」による無農薬酒米で一等米獲得2022年10月14日
山形県米沢市の酒蔵・小嶋総本店は9月27日、JA山形おきたまで行われた米の等級格付検査で、同社の契約農家・寒河江一紀さんが「アイガモロボ」を活用し無農薬で栽培した酒米「出羽燦々」が、良品質を表す「一等米」の評価を受けた。
「アイガモロボ米」で良質を証明する一等米の評価を獲得した契約農家の寒河江さん
「アイガモロボ」は有機米デザイン株式会社が開発した自動抑草ロボット。小嶋総本店と寒河江さんは「農薬を使わずに田んぼの生物多様性を守りながら、地域性のある酒米を栽培したい」と同検査に挑戦した。今秋は、ほぼ目標通りの数量の無農薬酒米を収穫し、一等米の評価を受けた。小嶋総本店は、この冬の酒造りで、収穫された無農薬酒米を仕込んで酒に仕上げる。
小嶋総本店は、昨年まで農薬や化学肥料を使う「慣行栽培」による契約田で、アイガモロボを使った無農薬栽培の実証実験を開始。アイガモロボはGPSを搭載しており、人工衛星と通信しながら設定されたルートを泳ぐ。仕組みは本体の太陽光パネルを動力源とし、下部のスクリューが田んぼの泥を掻き上げて水を濁らせることで太陽光を遮り、雑草の出芽を抑える。
寒河江さんの米作りでは5月下旬、田んぼにアイガモロボを入水し、3週間稼働。その結果、アイガモロボの明らかな抑草効果を確認し、除草にかかる労力も削減された。さらに、泥を掻き上げることで出来た柔らかい土壌が稲に栄養を行き渡らせ、無農薬米は慣行栽培の稲よりも背が高く伸び伸びと成長した。
設定ルート通りに自動抑草するアイガモロボ
収穫期にかけては、「いもち病」など病気との戦いもあったが、部分的に刈り取るなどの対処で感染拡大を防ぎ、無事に収穫期を迎えた。収穫量は目標としていた1260キロとほぼ同等の1230キロ。品質面でも一等米を獲得し、有機肥料のみによる無農薬栽培に初めて取り組んだ年として、十分な成果を挙げた。
今回の実証実験で「アイガモロボ」を用いたスマート農業を経験した寒河江さんは「無農薬での栽培は、田植え後はアイガモロボに活躍していただきましたが、一貫して稲作の原点に還ることが求められた。農薬を使わずに種もみの消毒をする温湯消毒や稲を病気から守る方法などを改めて振り返ることで、ロボット共に自然と共生する道が見えた気がします。当初は有機農法へのハードルを大変高く感じていたが、最終的には目標に近い収量を得られたことは大変喜ばしく、届かなかった分は来年の糧としたい」と話している。
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