大阪・泉大津市、市民に米販売へ「 5キロ3000円台」で 食の安心へ産地と連携2025年5月23日
米産地の自治体と連携を深めてきた大阪府泉大津市が、希望する市民向けに米を販売する方針を固めた。販売時期は8~9月で、価格は「5キロ3000円台」で最終調整している。「食料安全保障の自治体版」として注目される。
自宅配送とイベント直売で
泉大津市は、有事への備えとして、市独自の米備蓄を検討してきた。備蓄米の保管は東洋ライス(本社:中央区銀座および和歌山市)に委託。米は東洋ライスが買い付け、平時は学校給食に提供し、非常事態発生時には市民への配布などを行う。非常事態がなければ、残りの米は同社が商品として販売する。
今回、市は米の供給不足と価格高騰を受け、東洋ライスと協議。8~9月に、希望する市民へ米を販売すると決めた。米は自宅への配送のほか、イベントでの直売も実施する。
平時から産地と付き合い
泉大津市は「食料危機に立ち向かうには、産地との平時からの関係構築が不可欠だ」(成長戦略室)と説明する。これまで給食用の米は学校給食会から購入していたが、その契約では炊飯後の米が学校に届いた時点で所有権が移転するため、「市の米」は1粒もなかった。そこで同市は2021年から検討を開始し、「産地と連携して、生産者やJAから市が直接米を購入する取り組みを始めた」。
購入価格については、「農業における最大の課題は農家収入の低さであるため、出口を確保することで農家の収入増加と市民の負担軽減というWin-Winの関係を目指している」(同)とコメント。「価格は食味や銘柄よりも、有機JASや特別栽培といった生産方法を重視し、独自の指標にもとづいて決めている。相場よりやや高く購入することで、有事の際にも市民の食を確保する枠組みだ」と付け加えた。
市場原理に左右されない仕組み
2024年7月には、年間20トンの有機米を購入している北海道旭川市と「オーガニックビレッジ宣言」を発表した。南出賢一市長は、「農業連携を通じてコメの生産拡大につなげる......。目先の市場原理に左右されない供給の仕組みを構築する」(毎日新聞ネット版、5月22日11:00配信)と述べ、米を守る自治体間連携や産地・消費地連携を全国に広げていきたいと意気込んでいる。
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