備蓄米放出 「安ければいいのか」なし崩し運用に批判も 食糧部会2025年5月29日
農水省は5月28日に食糧部会を持ち回りで開催し、米の基本指針の一部を変更した。
農水省は政府備蓄米の放出方針決定にともない1月の食糧部会で基本指針の「備蓄運営の基本的な考え方」に買い戻し条件付きの備蓄米売渡しを追加し、そのなかで買い戻し時期について「原則1年以内」と記載した。
しかし、5月16日に備蓄米放出について5月以降も毎月売り渡すことなどをまとめた対策パッケージでは買い戻し時期を原則5年以内とした。
さらに21日に就任した小泉農相は随意契約で小売業者に売り渡すことを決め、農水省は申込みを受付けている。そのなかで小売業者には買い戻しを求めないこととした。
そのため今回、基本指針を変更し、買い戻し期間を「原則5年以内」としたほか、備蓄米の買受資格者が「小売業者その他農産局長が定める者である場合においては、当該条件(=買い戻し条件)を付すことを要しない」ことを追加した。
食糧部会は変更については適当と認めると答申したが、委員からはさまざまな意見が提出された。
馬場利彦委員は、江藤前農相が備蓄米放出を決断した際、備蓄米を買い戻すことを条件にすれば食糧法を改正しなくても売り渡すことができると説明していたことを指摘し、「従来の見解と買い戻しを必要としない旨の但し書きの記載の整合性がとれないことについて十分な説明が必要だ」との意見を提出した。
また、小売業者への備蓄米の売渡しで供給量が増えることになり、さらに25年産主食用の作付け意向では前年より40万t増える見込みとなっている。こうしたことから「大幅な供給増加による需給緩和のおそれがある。国の責任のもと、備蓄米の売渡しを適切に判断するとともに、需給や生産者手取りに影響が及ぶ場合には、備蓄米の買い戻しや100万t適正水準までの買い入れを起動的に実施するなど慎重な運用を」と強調した。
今回の変更は食糧部会への諮問事項であることから、「何らかのかたちで委員に対して事前確認をとる必要があったのでは」と食糧部会の運営に疑問も示した。
その他の委員からも買い戻し条件をつければ備蓄米を売り渡すことができるとのこれまでの説明との矛盾や、市況価格を大幅に割り込む価格での随意契約に「問題はないのか」との意見も出ている。
日本生協連の二村睦子常務は「備蓄米制度本来の目的と運用がなし崩しに変更されている。備蓄米の量的確保の見通しが不明な点に懸念を持っている」として意見を提出した。そのなかで備蓄米の量的水準の検討や、年度ごとの買い入れ量を増やすこと、生産量や需要量関する推計についての見直しと検証などを求めた。
また、備蓄米放出は当初、流通の目詰まりを解消することが目的とされていたが、現在は「価格高騰による米離れを防ぐ」と小泉農相は再々発言しており、備蓄米放出の「目的を明らかにして、事後の効果、影響の評価を行うべき」と提起した。
生産者のファーム菅久の菅原紋子常務は「安ければいいという目先のことだけでなく、先のことも考え長期的な視点で考えてもらいたい」、平田勝越山形県農業法人協会会長は「価格のことだけでなく農林水産業に対しての支援、対策等をしっかり考えてもらたい」と強調した。
重要な記事
最新の記事
-
「2026年 ISEKI Global Awards」開催 井関農機2026年1月16日 -
近づく限界、米価に暴落懸念 「2014年の再来」防げるか2026年1月16日 -
(469)なぜタイのエビは主役ではなくなったのか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2026年1月16日 -
岩手県の直営飲食店舗で「いわての牛乳ありがとうフェア」20日から開催 JA全農2026年1月16日 -
縁起が良い赤い食べ物「冬土用未(ひつじ)の日フェア」17日から開催 JA全農2026年1月16日 -
バッテリー診断・価値向上によるEVコンバージョントラック普及へ 共同実証開始 JA三井リースグループ2026年1月16日 -
日本の蚕糸 消滅していいの? 3月にフォーラム開催 大日本蚕糸会2026年1月16日 -
北海道の暮らしと仕事セミナー「一次産業(農業・林業・水産)のお仕事編」開催2026年1月16日 -
防災力アップ体験イベント「もしもFES大阪2026」3月に開催 こくみん共済 coop2026年1月16日 -
推しいちごに投票「天下分け目のいちご戦国時代2026」開催 食べチョク2026年1月16日 -
フルーツ王国ふくしま「ゆうやけベリー・県産いちご」フェア開催 福島県2026年1月16日 -
「いちごさんどう2026」開幕 相武紗季をゲストに迎え発表会 佐賀県2026年1月16日 -
法人向け気象情報「ウェザーニュース for business」林野火災リスク判定を提供2026年1月16日 -
都市農業シンポジウム「消えゆく『農ある風景』の危機」開催 東京都日野市2026年1月16日 -
宅配インフラで高齢者見守り 浜松市と協定締結 パルシステム静岡2026年1月16日 -
鮮度にこだわり JOYL「AJINOMOTOブランド オリーブオイル PURE LIGHT」新発売2026年1月16日 -
神明「米処 穂」とコラボ「農都のめぐみ米」期間限定メニューなど提供 兵庫県丹波篠山市2026年1月16日 -
食の安全について学べる「コープデリ商品検査センター」見学者5万人を突破 コープデリ2026年1月16日 -
高分子制御技術によるグルタチオンバイオスティミュラント 北見工業大学と共同研究 WAKU2026年1月16日 -
紀州産南高梅の濃厚なおいしさ「技のこだ割り 濃厚梅だれ」期間限定発売 亀田製菓2026年1月16日


































