米の概算金や買取額「国に報告を」 農水省通知、罰則も JA・集荷業者に戸惑い2025年8月26日
米の取引をめぐって農水省が、JA・全農や集荷業者に対し、概算金の額や買取額の報告を求める通知を出したことがわかった。集荷競争の機微にかかわる取引情報の提出を罰則付きで求める内容に、戸惑う取引関係者もいる。
「流通構造の透明性確保のため」
農水省は、「米穀の委託集荷における概算金等に関する報告徴収実施要領」を8月18日付の農産局長通知として発出した。
通知では、「現在、米の流通構造の透明性の確保のための実態把握が喫緊の課題となっている」として、「本要領により、集荷業者が生産者から米穀を集荷する際の概算金等について」報告を求めている。
公表の仕方は未定、罰則も
対象は年間5000t以上取り扱うJA、全農や集荷業者である。報告を求める内容は、概算金等の額、概算金の追加払いがあった場合の変更後の額、および月ごとの買取額の加重平均。概算金額などは決定後5日以内、買取額は対象の月の翌月5日までの報告が義務づけられている。報告は2025年産米からで、初回の報告は8月27日まで、としている。
報告内容は農水省農産局で集約するが、集約結果をどこまで公表するかは「個別事業者名の公表は行わない」とするだけで「詳細は未定」(農産局)という。
報告を求める根拠は食糧法第52条で、報告をしなかったり虚偽報告をすれば、立入検査を受けたり、50万円以下の罰金など罰則が課されることがある。
小泉農相のテレビ出演がきっかけ?
農水省はこれまで相対取引価格の報告を求め、集約結果を公表してきた。一つ手前の概算金等の報告を急に求めたのはなぜか。ヒントになるのが、7月30日に放送されたBS日テレの報道番組「深層NEWS」だ。新米価格がなぜ上がるのかという議論から概算金の話になり、生出演した小泉進次郎農相は次のように述べた。
「概算金で農家のみなさんが受け取る手取りと小売りの販売価格は違う。こういったことも含めて米の流通全体がどういったことになっているのかを見える化できるようにしていく。それと今までは、概算金はあくまで農協が決めることで、どこの農協がいくらの概算金を付けたのか、国に正式に上がってこなかった。今のような状況の中で、現場では何が起きているか......流通全体の可視化という文脈からも、国も把握する必要がある」(要旨)
首を傾げる集荷業者ら
2024年夏からの米不足と米価上昇について農水省は、「米は足りている。にもかかわらず米価が上がるのは、流通がスタック(滞留)しているからだ」と流通に責任があるかのような主張を続け、対応を遅らせた。だが、調査の結果、「流通のスタック」は見つからず、米が足りなかったことが明らかになった。調査結果を踏まえると、流通に主な問題があるかのような発言を繰り返すのは理解が難しい。農水省は否定するが、取引関係者には、委託販売(概算金)に否定的な小泉農相の持論と今回を報告徴求を関連付けてみる向きもある。
主産地のJA関係者は「政府自ら『売る自由、買う自由』を掲げながら、民民の取引価格を罰則付きで出させようというのは驚いた。国はすでに相対取引価格を把握しているので、その手前の概算金を調べてもあまり意味はないのではないか」と話す。商系集荷業者は「国はどういうつもりなのか。たしかに都市部の小売価格は高すぎるとは思うが、『国が報告を求める』という形で価格に介入するのはどうか」と疑問を述べた。
宇都宮大学農学部 松平尚也助教の話
「今回の概算金等の報告指示は、場当たり的で目的がよくわからない。市場主義的な発言を繰り返す小泉農相は、委託販売(概算金)を否定し買取販売を要請するなど『農協らしさ』を削ろうとしてきた。その流れを考えると、米の価格への介入であると同時に、委託販売という農協らしさ、協同組合への介入にみえる」
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