「JA米」を環境負荷低減米に 26年産から取り組み 全農2025年10月2日
JA全農米穀部は2026年産から「JA米」に環境負荷低減という新たな価値を付与する取り組みを進める。2030年には全農の取扱全量を環境負荷低減米穀とすることをめざす。
「JA米」は①種子の更新、②栽培履歴記録簿の記帳、確認、保管、③農産物検査の受検の3つを要件として2003年に始まった取り組みで産地、販売先とも大きく普及した。
一方、全農は2021年から環境負荷低減の取り組みについて検討し、これまでの「JA米」の要件に環境負荷低減の取り組みという新たな価値を付与して「JA米=環境負荷低減米穀」とすると考え方を整理した。
取り組みは段階的に進める。ステップ1は26年産からJA米の要件として栽培履歴簿に秋耕・中干し期間を記載する欄を追加する取り組みを行う。
ステップ1では秋耕など環境負荷低減の取り組みの有無ではなく、栽培履歴簿にGHG(温室効果ガス)排出量低減の取り組みの有無が確認できる書式とすることを目標とする。
記載欄があれば取り組みの程度によってGHG排出量を算定して、開示を希望する販売先に排出量を示すことができる。26年産ではまずこの取り組みを産地に広げる。
その後、産地の取り組みが広がり、取引先からも排出量の開示希望が高まった段階で「実際にGHG排出量低減の取り組みを行った米穀」を新たに「JA米(環境負荷低減米)」とする。これによって実質的にJA米の定義の格上げとなる。
GHG排出削減に向けて企業には自らの取り組みだけではなく、事業活動に関係するあらゆる排出を合計した量の削減が求められており、食品企業にとっては原材料となる米にもGHG削減に取り組まれているかが問われる。全農はGHG排出量を一次データで開示することで販売先からの評価向上によって有利販売をめざす。
これによって産地の評価も高めJAと連合会の集荷拡大につなげたい考えだ。
そのため26年産ですべてのJAで栽培履歴簿に「秋耕」と「中干し期間」の記載完了をめざしてJAに対して項目追加を働きかけている。
環境負荷低減米穀の取り組みは生産段階だけでなく、輸送段階でも行い、物流合理化(全農統一フレコン、全農パレチゼーションシステム、専用列車全農号による輸送などモーダルシフト)に取り組む。
GHG排出量は県ごと年産ごとに「生産段階」+「輸送段階」で算定し取引先に開示する。
環境負荷低減米穀であることを商品で表示を求める販売先に対しては、原料玄米から区分管理し、精米工場での製造トレースも実施し、商品への表示ができるような認証制度の構築もめざしている。
生産者による秋耕などの取り組みは26年産で60%、28年産で80%、30年産で100%をめざす。
取引先へのGHG排出量開示米穀の目標は26年産で1万t、28年産で3万t、30年産で5万tとしている。
なお、秋耕や中干し期間延長が難しい地域では、代替の取り組みとしてバイオ炭の施用、稲わらの搬出、ケイ酸質資材の施肥などが検討されている。
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