世界最小クラス「吸収式冷却ユニット」新発売 農業分野で初導入 矢崎エナジーシステム2025年10月2日
矢崎エナジーシステムは、温水焚吸収冷温水機「アロエース」と冷却塔、蓄熱槽、ポンプ、配管、制御機器等の付帯設備をユニット化した、世界最小クラスの冷却システムを新発売。このほど、農業分野での導入も始まった。
吸収式冷却ユニット
同システムは、発電機やコンプレッサーから排出される廃熱等の未利用エネルギーや太陽熱などの再生可能エネルギーから得られる70~90℃の温水を利用して7℃の冷水を生成し、業務用空調や産業用プロセス冷却などの冷却需要に対応するシステム。従来、温水焚吸収冷温水機はランニングコストが低い一方で、設備投資や施工費用が課題となっていた。
今回、温水焚吸収冷温水機と付帯設備を工場であらかじめユニット化することで、施工費用を約30%削減。現地での施工期間も従来の4日から2日へ大幅短縮を実現した。さらに、従来製品比で約70%の省スペース化も実現し、猛暑による冷却需要が高まる農業分野をはじめ、工場や公共施設など多様な現場での活用が期待される。
同社はこのほど、三重県多気町の農業法人・ポモナファームで、閉鎖型農業システムで共同実証試験に取り組んでいるCultivera(沖縄県恩納村)と連携。トマト栽培用農業ハウスに同システムと太陽熱集熱器を組み合わせたソーラークーリング冷却システムが採用された。今回の導入概要は以下の通り。
・農地の一角(約100m²)に太陽熱パネル60m²を設置し、約90℃の温水を生成
・温水焚吸収冷温水機「アロエース」(17.6kW×1基)で7℃の冷水を製造
・約1930m²の太陽光型トマト栽培用農業ハウスを冷却し、猛暑下でも安定した栽培環境を実現
・約2000m(28m×36列の栽培棚に往復)の冷水配管を培地に敷設
導入により、午前中の光合成が活発な時間帯のみ冷却することで、最小限のエネルギーで効果的な暑熱対策が可能になった。
この培地冷却方式は、三重県や奈良県など全国の、複数農業施設で実績があり、すでに夏秋トマトの収量拡大に貢献。同システムは暑熱の原因である太陽熱を冷却エネルギーとして有効活用するという「逆転の発想」で、エネルギー利用量の削減とカーボンニュートラルの両立を実現した。
同システムなど地球沸騰化に適応した農業システムは、3日まで千葉の幕張メッセで開催中の「農業WEEK」で展示している。
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