【Jミルク情報発信】需要拡大へ統一サイト 今春にコラボ機能付与2026年1月6日
Jミルクは、飲用牛乳と脱脂粉乳の需要拡大が喫緊の課題となる中で、統一サイトを新設、双方向の情報発信を始めた。同時にSNSでの対応も強化、全国各地の消費拡大の取り組みを網羅し、消費者理解を高める方針だ。(農政ジャーナリスト・伊本克宜)
牛乳・乳製品の需要拡大へ新設したJミルク統一ポータルサイト
■「あなたの一杯で酪農を元気に」
国産牛乳・乳製品の需要拡大を進めるJミルクのパンフレットの一つに「あなたの一杯で酪農に元気を」。同フレーズは、官民挙げた消費拡大運動を象徴する。
フレーズの狙いをJミルクでは「頑張る酪農家のためにもう一杯、もう一本、牛乳や乳製品を飲んで食べて、消費者にも酪農家にも元気を届けたい」と強調する。
酪農にとって、最も深刻な事態は生乳の需給緩和、安心して搾乳ができないことだ。現在、牛乳の需要は低迷し、乳製品の中でも脱粉過剰の解消は待ったなしの課題だ。将来不安は、酪農家の離農加速にも表れている。指定団体受託ベースで2009年に2万戸あったが15年間で"半減"して2025年8月には9477戸と、離農加速が止まらない。このままでは、都府県を中心に9000戸割れも時間の問題となりかねない。
今回の統一サイト開設と情報発信強化は、酪農家が安心して経営できる環境づくりの一環として効果的な需要拡大を進めるものだ。
■SNSも駆使、双方向「牛乳でスマイル」
Jミルクが新設した統一ポータルサイトは、国産牛乳・乳製品の需要拡大のため農水省と酪農・乳業界など官民挙げて取り組む「牛乳でスマイルプロジェクト」の一つ。
「共通ロゴマーク」は、酪農家が生産した生乳を使った国産牛乳・乳製品を食事に取り入れることで、みんなが健康で元気で笑顔になってほしいとのメッセージが込められた。
2025年11月には同プロジェクトの業界一体的な活動推進で酪農・乳業8団体が共同会見、同15日には業界挙げた需要拡大活動の開始を宣言するキックオフイベントを関係団体、企業とも連携して開き、内外に情報発信した。
これまで、組織ごとにばらばらだった情報発信を一体化した。昨年末には新たにⅩ(旧ツイッター)、インスタグラムの公式SNSアカウントも公開し、より幅広く酪農家、関連団体、乳業メーカー、消費者の相互情報理解が容易になった。
牛乳サイトSNS公開画像
キーワードの一つが"双方向"だ。
酪農・乳業取り組みの情報提供ばかりでなく、消費者が参加できる"双方向"の対応がよりやりやすくなる。例えば、全国の牛乳・乳製品の価値や魅力、おいしさ、酪農乳業理解につながるイベント、キャンペーン、コンクール、実際に乳搾り体験、乳業工場見学、新商品・レシピ、食育情報などを通じ、消費者参加も促す。
■全国イベント情報発信
同サイトは、全国の関係者の取り組み情報を一元的に収集、整理した。サイトを閲覧すれば一般消費者に分かりやすく情報が伝わり、知りたい情報に迅速にアクセスができる。
こうした全国のイベント情報発信を柱に、「ニュース」として同プロジェクトに関連したさまざまな動きをできるだけリアルタイムで伝える。需要が低迷する牛乳の新たな活用法、良質たんぱく質、カルシウム、ビタミンなど健康維持に欠かせない栄養素が豊富な牛乳・乳製品の機能性などもアピールする。
■「新商品」紹介で実需喚起
生乳需給緩和が顕著となる中で、特に需要拡大が迫られているのが過剰累増の脱粉活用だ。機能性や健康保持に絡めた脱粉使用のヨーグルト消費拡大などが問われている。
こうした中で、各メーカーは懸命の商品開発を行っている。統一サイトでは、新たな機能性の付与など需要拡大に結び付く「新商品」が登場するたびに紹介。消費者がスーパーなどで手に取り、消費につなげる情報も積極的に発信していく。
■「コラボ・連携」通じて需要底上げ
統一サイトの業界メリットは三つ。消費者の参加促進、優良事例共有で課題解決、コラボ・連携の機会提供だ。
国産牛乳・乳製品の需要拡大を確実なものにしていくためには、まずは効果を上げた成功例、優良事例を業界全体で共有することで、新たな事業展開やアイデア、課題解決のヒントとなり得る。
さらに進め、今春にはコラボ・連携のマッチング機能を付与する予定だ。酪農・乳業界の枠を超え他業界、他食品との連携、コラボで新たな商品、需要底上げの可能性が見えてくるかもしれない。
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