トリダス自動投入ロボットシステムを商品化 前川製作所2020年7月20日
トリダス自動投入ロボットシステム(多関節ロボットアーム3台仕様)
(株)前川製作所は、トリダス自動投入ロボットシステムを商品化した。同システムは、チキン骨付きもも肉全自動脱骨ロボット「トリダス」と「トリダス」のオプションで、複数台の「トリダス」に自動投入可能なオートローダーシステムに対し、画像処理技術と多関節ロボットアームを組み合わせ、全自動で鶏もも肉を投入する構成となっている。
(本文)
同システムは欧州と国内の納入先が決定し年内納入予定。脱骨工程の上流にあたる大ばらし機がどのメーカー製であっても同システムを導入できる点が特徴となっている。
食鳥処理場の生産量に合わせ、多関節ロボットアーム1台、2台、3台仕様の3種類から選択でき、組み合わせて配置することが可能。1時間あたり 1000~6000本の鶏もも肉(250~550g)を投入できる。
投入された肉は、画像処理技術により裏表と足首位置を自動で検出。多関節ロボットアームが肉の足首をつかみ、「トリダス」と複数台の「トリダス」に投入可能なオートローダーシステムに投入する。
「トリダス」への投入作業を自動化することで、作業者しかできない高度な仕事を行うことが可能。さらに、投入速度のバラつきが軽減されるため安定した生産が可能になるほか、人が介在しないことで衛生的な脱骨肉を生産することができる。
同社は同システムで海外に対し4件の特許を出願しており、日本では同内容で特許を取得済み。
システムの外形寸法は、ロボット架台が1492×700×2534mm、撮像装置が680×670×770mm。重量は800kg。
日本の食鳥・食肉需要は海外の労働力によって支えられているが、新型コロナウイルス感染拡大により、先行きが不透明な状況になってきた。海外では労働力減少によって生産規模縮小、操業を一時停止する食鳥・食肉処理場も増えている。
国内の安定供給が求められるなか、安定した生産を続けるためには食鳥・食肉市場のさらなる自動化が必要。同社では、今回確立した鶏もも肉をつかむハンドリング技術を発展させ、将来的に「トリダス」以外の脱骨ロボットへの自動投入や、食肉・食品のハンドリングなどに応用することも検討していく。
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