「エシカルな畜産業」創出で阿蘇の草原環境を保全 出光興産2023年1月18日
出光興産は、熊本県南阿蘇村、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科、熊本県畜産農業協同組合連合会の三者が推進する「南阿蘇村 草原再生・あか牛復興プロジェクト」の取り組みに賛同。同社100%出資のエス・ディー・エス バイオテックが取扱う機能性飼料の提供などを通じて、南阿蘇村の畜産業における温室効果ガス(メタンガス)の排出削減技術の実証に向けた支援を始める。また、「企業版ふるさと納税」の制度を活用した寄付を行い、同プロジェクトの活動を支援する。
南阿蘇村吉良村長(左)から感謝状を授与される出光興産 先進マテリアルカンパニー技術戦略部長の田中秀憲氏
世界最大級のカルデラを有する阿蘇地域は、豊かな天然水が湧き出す水源の宝庫。水源は流域にひろがる広大な草原のもつ涵養力により維持されるが、畜産業における牛の放牧は、草原の環境保全に大きな役割を果たす。
同プロジェクトは2022年7月、三者による産学官協定「阿蘇の農畜産業と環境保全に関する相互連携協定」に基づき、組成され、代表的な生産種である「くまもとあか牛」の放牧を通じた草原環境の維持(水源涵養力の保全)を実現するため、畜産業従事者の所得向上や育成、雇用創出など畜産業の持続可能性の向上に取り組んでいる。また、畜産に起因する環境負荷の一つである牛由来のメタンガス排出抑制を図り、近年ニーズが高まる「エシカル消費」に対応した持続可能な農畜産業の創出を目指す。
図:事業ポートフォリオ転換に向けた3つの事業領域
出光興産は、100%出資の関係会社であるエス・ディー・エス バイオテックを通し、牛のゲップに含まれるメタンガスの排出削減に効果が期待される機能性飼料「ルミナップ」を提供する。また、給与方法に関する協力を行うことで、南阿蘇村の畜産業における温室効果ガス排出抑制技術の実証を支援。併せて、企業版ふるさと納税制度を活用し南阿蘇村へ寄附を行ったことで、1月16日に南阿蘇村から感謝状を授与された。
同社は2050年カーボンニュートラル社会の実現に向け、2030年ビジョン「責任ある変革者」、2050年ビジョン「変革をカタチに」を掲げている。2022年11月に発表した中計経営計画(対象年度:2023~2025年度)では、「3つの事業領域」(図)の社会実装を通して「人々の暮らしを支える責任」と「未来の地球環境を守る責任」を果たす。
同プロジェクトへの支援は、畜産分野での低炭素化と地域課題解決を目指すものであり、3つの事業領域における「多様な省資源・資源循環ソリューション」の開発と社会実装に向けた取り組みと位置付けている。
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