酪農家の減少加速5.3%減 飼料高騰影響か 採卵鶏は鳥インフル猛威で大幅減 畜産統計2023年7月10日
農水省が7月7日に公表した畜産統計(今年2月1日現在)によると、全国の酪農家の戸数は1万2600戸で、前年より700戸(5.3%)減ったことが分かった。減少幅は前回を上回り、高齢化などに加えて飼料高騰により離農が加速したとみられる。また、採卵鶏の飼養羽数は前年から871万羽(6.3%)減少し、鳥インフルエンザの流行で採卵鶏の殺処分数が過去最大の1650万羽に上ったことが大きく響いた。
統計によると、酪農家の戸数は農家の高齢化などで年々減少傾向にあり、2021年には1万3800戸で前年より600戸(4.2%)減、22年は1万3300戸で500戸(3.6%)減少していた。今回はさらに減少の幅が広がっており、ウクライナ危機などによる飼料高騰で経営環境が悪化したことで離農が加速したことが影響したとみられる。
乳用牛の飼養頭数は135万6000頭で、前年に比べて1万5000頭(1.1%)減少し、6年ぶりの減少となった。生乳価格の低迷などで全国的に需給改善に向けて生産抑制を進めたことが影響したとみられ、北海道は3400頭(0.4%)減、都府県は1万2100頭(2.3%)減となった。農家1戸当たりの飼養頭数は107.6頭で、前年より4.5頭増えた。
一方、採卵鶏の飼養戸数は1690戸で、前年より120戸(6.6%)減少した。卵を産む成鶏めす(6か月齢以上)の飼養羽数は1億2857万9000羽で、前年に比べて871万2000羽(6.3%)減少した。
採卵鶏の成鶏めすの飼養羽数は、21年から22年にかけての減少は340万6000羽(2.4%)だったが、今回は減少幅が2倍以上に大きく拡大した。採卵鶏全体(種鶏をのぞく)では1億6981万羽で、前年より1028万6000羽(5.7%)の減少となった。
これについて調査をまとめた農水省統計部生産流通消費統計課は、鳥インフルエンザの発生が過去最多となり、採卵鶏の殺処分数も過去最大の1650万羽に上ったことが影響したとみている。
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