サステナブルな酪農経営へ「第3回MDAミーティング」開催 明治2024年2月9日
明治は2月7日、酪農家との「第3回MDAミーティング」を開催。サステナブルな酪農経営への貢献を目指した、同社独自の酪農経営支援活動「Meiji Dairy Advisory(MDA)」における取り組みとして、全国7拠点をつなぎ「酪農場における人材の定着」などをテーマにディスカッションが行われた。
MDAミーティング開催にあたりあいさつする明治常務執行役員の土橋道人調達本部長
明治の「MDA」は、農場経営における人材マネジメントにフォーカスし、農場の作業改善や経営管理技術の向上を通して、酪農に関わる人の成長を支援し、サステナブルな酪農経営に貢献する取り組み。国内の酪農業は、サステナブルな生乳生産が求められる一方、労働力確保や人材育成などのマネジメントにも酪農家が苦慮している現状にある。
同ミーティングは、明治本社に集まった酪農家のほか、北海道・東北・東海・関西・四国・九州の6つのサテライト会場をオンラインでつないで実施。「MDA」でサポートする酪農家をはじめ、「MDA」に興味をもつ酪農家・農場関係者56人を含む計172人が全国各地の会場とwebで参加した。
今年のグループディスカッションのテーマは、全国の酪農家共通の悩みといわれる「酪農場における人材の定着」と、近年、社会課題として酪農場での対応を迫られている「アニマルウェルフェアの実現」の2つ。当日のディスカッションでは、人材の定着に関して各酪農家が抱える悩みや成功・失敗体験の共有や、アニマルウェルフェアの実現に向けた現状や課題の把握などについて、活発な議論が展開された。
明治の「MDA」は、農場経営における人材マネジメントにフォーカスし、農場の作業改善や経営管理技術の向上を通して酪農に関わる人の成長を支援することを具体的なプログラムにしたもので、2018年から開始。日本国内の生乳生産量は1996年をピークに20年以上にわたり"減少"の一途をたどっている。これを象徴する出来事のひとつが、2014年に起きたバター不足問題で、さまざまな要因により、「スーパーからバターが消えた」という事実は日本全体に大きな衝撃を与えた。
明治グループは、この問題が起こる以前から生乳生産量増加の施策を数々試みてきたが、このバター不足問題を一つの転機に危機感を強め、施策をさらに強化・進化させる方向へと舵を切った。
MDAミーティングに参加する酪農家ら
2015年からは、同社の酪農部のメンバーと、グループ会社である明治飼糧株式会社が協力しながら酪農現場へ頻繁に足を運び「生産量が増えない原因」を徹底的に分析。その結果、たどり着いた根本的な原因は、エサのあげ方や牛の飼い方といった飼育に関する技術的なものだけではなく、「働く環境」や「働き方」など、「人」に起因するものだった。そこで2016年から3年間、酪農先進国であるデンマークから講師を招き、人の働き方に関するセミナーを開催しながら農場経営におけるノウハウを蓄積してきた。
「MDA」では、酪農に関わる人びとが、やりがいを感じながら働くことができる農場にすること、無駄をなくし作業を効率化して負担を減らすことなど、農場のあるべき姿を描きながら農場の経営陣やリーダーの成長を支援している。
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