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2018.07.13 
【座談会】持続可能な未来志向の改革を紡ぐ 「農」の進化に挑み続ける東京農大(2)一覧へ

・「農のこころ」で豊かな人材育成
・「報徳精神」で農協人の使命を発揮

◆強力なネットワーク

長嶋 喜満・JA神奈川県中央会・各連合会会長 長嶋 今は息子が継いでいますが、植木生産農家の生まれです。東京農大を選んだのは、造園学科に入れば仲間ができ、ネットワークをつくれば家業にプラスになるだろうという気持ちからでした。卒業して、全国いろんなところへ行くと、先輩や後輩がいっぱいいます。マンモス大学と違って、当時は農学部だけの単科大学でしたので、東京農大卒業ということですぐ親密になり、人間関係を広くつくることができました。それが一番身になったと思っています。

(写真)長嶋 喜満・JA神奈川県中央会・各連合会会長

 

 白石 植木農家、農協の役員として、いまの農業・農協の課題、さらに2019年9月末までに県農協中央会は連合会に組織変更され、農協の外部監査は会計監査人の監査へ移行される大転換期のJAグループの改革ビジョンをどのようにお考えですか。

 

 長嶋 規制改革推進会議は何でも競争一辺倒で片付けようとしていますが、農業と競争の原理は合わないと思います。たとえば植物工場ですが、これがはたして農業といえるのでしょうか。農業は人間教育、情操教育の場でもあります。競争だけでなく、協同の理念と並立しないと、世の中おかしくなってしまいます。
 私は機会あるごとに二宮尊德の話をしています。尊德の唱えた至誠、勤労、分度、推譲、積小為大、一円融合の思想、それは協同組合の原点そのものです。その根底は相互扶助の精神です。特に東日本大震災でこのことがはっきりしたのではないでしょうか。JAさがみ本店には「報徳訓」の額が掲げてあります。この精神がないと組合員はついてこないよと、職員には常に話しています。人を思い遣り、どうしたら組合員生活を豊かにできるのか、みんなで考えようというのが農協であり、そこが株式会社と違うところです。

 

 白石 会長は、教育として協同の心を育む場が農業と言われましたが、そのことをもっと強調していただきたいですね。

 

 長嶋 東京農大には6学部ありますが、総合的には、やはり「生命学部」のような感覚で考えています。植物も動物、そして人間のいずれも食べ物、それに付随する栄養素に関するものです。一次産業全体が全て生命維持のためにあり、それがコミュニティの維持のためにも一番大切なものになっています。だから、われわれは誇りをもって今の農協の仕事をしているのです。学生にも広い意味で、人の生命をどうするかという大きな視点を持って勉強しているのだという自覚をもって欲しい。

 

 白石 農業・農村等の現場で直面する課題解決に東京農大がどのように貢献できるのでしょうか。

 

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