営農・経済革新プラン JAグループが組織協議2014年3月17日
JA全中は3月6日の理事会で「JAグループ営農・経済革新プラン」案を決めた。同プランは第26回JA全国大会決議やJAグループがこれまでとりまとめた新農政への提言などを具体化し、実現に向けてギアチェンジしようというもの。組織協議を経て4月のJA全中理事会で今後5か年の計画として正式に決める。
◆自給力向上と所得の増大へ
同プランでは将来の農業像と、基本目標に▽食料の自給力(人・農地・経営資源)の向上による生産拡大▽わが国の食と農の価値の創造による農業所得の増大▽農を基軸とした地域の活性化、を掲げている。
その目標を実現するためにJAグループは、▽担い手の所得増大につながる営農・経済事業への革新▽農業・地域の活性化につながる総合事業の展開▽より開かれた組織・事業運営による農業・地域のサポート力の強化、に取り組むとしている。
具体的な取り組みのうち、重点戦略は[1]担い手サポート型を主力とした営農・経済事業方式の確立[2]新たな販売事業方式の確立[3]営農・経済事業の革新をはかる組織運営・ガバナンスの確立、の3つを柱としている。
◆担い手支援で全国基金創設
[1]「担い手サポート型を主力とした営農・経済事業方式の確立」では、「水田20?30ha、中山間10?20ha」の法人・集落営農などの連携・再編によって広域営農(数集落の大型法人・連携組織)をめざすなど担い手経営体の育成・確保の加速化をはかると同時に、JAの担い手専任体制の強化による個別事業対応を強化する。経営コンサルなど行うTAC等の専任担当者を増員することもめざす。
また、JA出資型法人も「JAの全エリアカバー」、県域など「広域型」といった組織をも設立し、担い手のサポート組織体として機能する取り組みも展開する。さらに連合会などによる担い手サポート機能を強化するために、新たな全国基金の創設、金融・共済面での支援、流通の低コスト化・高度化を図るための既存流通・加工施設の広域再編・集約も行うなどを掲げている。
◆買取など拡大 企業とも連携
[2]「新たな販売事業方式の確立」では、JAグループバリューチェーンの構築をめざし、全農などは経済界・企業等と戦略的な資本提携、合併等を拡大するため、マーケティング・投資機能を充実させる。それによって生産者からの買取などの拡大につなげる。
JA段階でも地域特性や独自性をいかした高付加価値型販売を強化するため、地域ブランド強化に向けた「知的財産戦略の構築(地理的表示など)」と「ネット販売」、「直売所の拡大」など生産者直売を支援する体制の強化にも取り組む。
農産物輸出については2020年までの目標設定を行い、一元的な輸出ビジネスモデルの構築や、香港や米国に直営店舗を出店した全農の海外店舗拡大も実施する。
◆担い手の意思、組織に生かす
担い手サポートを主軸に打ち出した今回の革新プランでは、JAの組織・事業運営についても「担い手の経営参画・意思反映の促進」を掲げた。担い手の理事登用や、生産部会長や青年部員などをJAの営農経済委員会などのメンバーとすることなどが検討課題となる。 同時に営農経済事業の高度化専門化に対応する業務執行体制の強化も掲げた。
そのほか「より開かれた組織運営」のために、准組合員や員外利用者などニーズを事業に反映する仕組みや、外部のノウハウを導入するなども課題としている。
これらの実施事項については目標やJAと連合会の役割分担も明らかにしていく。
同プランは4月の全中理事会で正式に決定するが、来年の第27回JA全国大会に向けてさらに具体化を図り、組織・制度の改革事項については組織的検討も進める方針だ。
(関連記事)
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