サツマイモを北米に 焼き芋戦略拡大2018年1月22日
・茨城県JAなめがた
“焼き芋販売戦略”で、サツマイモの生産・販売を飛躍的に伸ばしている茨城県JAなめがたがあらたにサツマイモの北米輸出を始めた。このサツマイモは、同JAのブランドである「紅優甘」(べにゆうか)で、焼き芋にすると粘りがあって食べやすく、冷えてもおいしいという特長がある。
(写真)カナダ向けサツマイモ輸出のセレモニー
第1陣は1月15日、800ケースをカナダに輸出した。冷凍焼き芋のアメリカ輸出も計画している。
輸出に当たって、新たに専用のあらたな段ボールを作った。側面には「JAPANESE SWEET POTETO」(ジャパニーズ スイート ポテト)と書かれ、JAなめがたの位置が分かる日本地図も印刷してある。第1陣の輸出を記念して開いたセレモニーには棚谷保男組合長や同JA甘藷部会連絡会の箕輪秋雄会長ら役員、行方市の鈴木周也市長らが出席し、荷台にサツマイモ箱を満載したトラックの前で、初の輸出を祝った。
サツマイモは神奈川県内の港から船で運ばれ、2週間ほどでカナダに着く。同JAは、サツマイモを生果だけでなく、焼き芋にして売る"焼き芋販売戦略"に取り組んでいる。このため、冬だけでなく年間を通じて供給できるよう、5000t貯蔵できるキュアリング定温貯蔵技術と、「紅まさり」、「紅こがね」なども加えた品種別のリレー栽培体系を確立しており、時期に応じて輸出する計画だ。
また、焼き芋の焼き方にもこだわり、甘藷部会連絡会が中心になって、もっとも美味しい焼き方、食べ方を品種ごとに確立し、電気オーブンを使ったスーパーでの店頭販売などを行い、焼き芋の魅力をPRしてきた。同時にサツマイモの品種、栽培方法など、焼き芋になるまでの工程管理を徹底してきた。
こうした取り組みで、同JAのカンショは、280人ほどの生産者が約700haを栽培している。平成24年からこの水準を維持し、売り上げはこの数年右肩上がりで伸びており、平成28年度は35億円を超えた。こうした取り組みが評価され、JAなめがた甘藷部会連絡会は29年度農林水産祭の天皇杯を受賞している。
輸出では、3年前からタイ、マレーシアなど東南アジアへの実績があり、今回の北米輸出への弾みになった。同JAは、「サツマイモの焼き芋での食べ方を提案し、世界共通語として『YAKIIMO』を広めたい」(棚谷組合長)と、"焼き芋販売戦略"の世界展開に自信を示す。
また焼き芋だけでなく、食品企業と提携し、平成25年に「農業生産法人(株)なめがたしろはとファーム」を設立。規格外のサツマイモを利用し、大学芋やお菓子用ペーストなど、さまざまな商品をつくり、農家所得の向上につなげている。2020年の東京オリンピックをにらみ、農産物の国際認証である「グローバルGAP」の取得も視野に入れている。
(写真)新たに作った輸出用の段ボール
(関連記事)
・【前半】焼き芋を武器に所得向上 JAなめがた(茨城県)(17.11.08)
・茨城の農畜産物をアピール JAグループ茨城が商談会(17.11.02)
・第33回 「焼き芋戦略」を中心にした農業6次産業化ビジネスの展開(17.10.29)
・JAなめがた甘藷部会など7氏・団体に天皇杯ー29年度農林水産祭(17.10.19)
・第39回農協人文化賞受賞者決定-7部門17名(17.05.24)
・日本初! さつまいもの体験型テーマパーク「なめがたファーマーズヴィレッジ」(15.11.04)
重要な記事
最新の記事
-
数字で読む「令和の米騒動」(上) 混乱招いた流通悪者論 集荷後半に"異変"2025年12月23日 -
数字で読む「令和の米騒動」2025 (下) 始まった損切り 小売りにも値下げの動き2025年12月23日 -
神明が先物市場の価格使った契約を生産者に呼びかける【熊野孝文・米マーケット情報】2025年12月23日 -
米のコスト指標作成へ 米穀機構に委員会設置2025年12月23日 -
「令和7年産新米」最大12.5%値下げ アイリスグループ2025年12月23日 -
業務用米の特徴を紹介 播種前・書面契約のリスク管理 東京で業務用米セミナー&交流会2025年12月23日 -
甘み増す旬野菜「和歌山県産冬野菜フェア」直営店舗で開催 JA全農2025年12月23日 -
ノウフク・アワードで「チャレンジ賞」障害者の社会参画や地域農業に貢献 JA全農2025年12月23日 -
「石川佳純47都道府県サンクスツアーin鳥取」4年かけて遂に完走 JA全農2025年12月23日 -
「水戸ホーリーホックJ2優勝&J1昇格キャンペーン」開催中 JAタウン2025年12月23日 -
米国ニューヨーク市に人工光型植物工場のマーケティング拠点を開設 クボタ2025年12月23日 -
鳥インフル 英国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年12月23日 -
鳥インフル ハンガリーからの生きた家きん、家きん肉等の一時輸入停止措置を解除 農水省2025年12月23日 -
鹿児島県南大隅町と包括連携協定を締結 町内事業者と働き手をサポート タイミー2025年12月23日 -
まるまるひがしにほん「東日本酒博覧会~年越し酒~」開催 さいたま市2025年12月23日 -
利用者・行政・協同組合が連携 焼売やナゲットで食料支援 パルシステム神奈川2025年12月23日 -
本格スイーツの味わい「安納芋プリン スイートポテト仕立て」期間限定で発売 協同乳業2025年12月23日 -
普段使いしながら「もしも」に備える「日常×防災・防犯」特集公開 日本生協連2025年12月23日 -
東京都「Tokyo-NbSアクションアワード」で優秀賞 稲城での里山活動が評価 パルシステム東京2025年12月23日 -
村上農園×青学駅伝 特設サイトと原監督・村上社長の対談動画を公開2025年12月23日


































