食料安保政策の確立を-JAグループの政策提案2018年6月8日
JA全中は6月7日の理事会で「食料・農業・地域政策確立に向けたJAグループの政策提案」を決めた。JA全中の中家徹会長はこの政策提案について同日の会見で「何といっても食料安全保障の確立が重要だ」と強調した。
JAグループの政策提案では、深刻な農業の担い手不足などで農業生産基盤は縮小しており、このままでは将来にわたる食の安定供給について懸念が生じかなねいとの認識のもと、食料・農業・農村基本法の理念、目標に向けた「食料安全保障」に資する農政の確立を求めている。
中家会長はわが国の自給率は38%に低下し「先進国で最低」と強調。一方で世界は人口が増加しているとともに、地球温暖化で世界的に異常気象が発生するなど、「さまざまリスクが増大している」ことも指摘。「いかに国民の食を安定的に供給できるかが重要。これ以上、農業の生産基盤を弱体化させるわけにはいかない」として、食料安全保障を実現する基本政策の確立が重要だと話した。
そのほか国際貿易交渉対策では、6月にも行われるとされる新たな日米協議について、農業分野の扱いに農業者には懸念があるとして「毅然とした対応を行うこと」を求めた。
具体的な政策では米について、水田フル活用の助成を恒久的に確保することや、予期しない豊凶変動や消費減などで全体需給に影響が生じる恐れもあるとして、需給均衡対策を講じる必要性も提案した。
地域政策では日本型直接支払制度の拡充や鳥獣被害対策関連予算の確保を求めている。
JA改革では准組合員の利用規制問題について「農協改革の最大の懸案であり、組合員の意向による自主的な判断を尊重すること」とした。また、公認会計士監査移行にともなう負担について、農協法付則(50条1項の3)に基づき「実質的な負担が増加することがない」ように適切に配慮することも求めている。
(関連記事)
・「食料安保」を明確に JAグループ政策確立大会(18.06.08)
・【鈴木宣弘・食料・農業問題 本質と裏側】TPP11はTPP12より悪い(質疑)(18.06.07)
・【梶井 功・時論的随想 ―21世紀の農政にもの申す】骨太に食料安保復活を(18.06.03)
・【全国農政連予備選挙候補者に聞く】山科朝則・山形県議会議員、JA新庄市経営管理委員会会長(18.05.18)
・【農林水産省・柄澤彰政策統括官に聞く】どうなる? 米政策(18.04.17)
・【レポート・30年産に向けて米産地は今】水田フル活用し豊富な米の品揃え JAえちご上越(新潟県)(18.03.22)
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】水稲の斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 山口県2025年7月8日
-
なぜ米がないのか? なぜ誰も怒らないのか? 令和の米騒動を考える2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【立憲民主党】「食農支払」で農地と農業者を守る 野田佳彦代表2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【自由民主党】別枠予算で農業を成長産業に 宮下一郎総合農林政策調査会長2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【日本共産党】価格保障・所得補償で家族農業守る 田村貴昭衆議院議員2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【れいわ新選組】農業予算倍増で所得補償・備蓄増を やはた愛議員2025年7月8日
-
【第46回農協人文化賞】集落と農地 地域の要 営農事業部門・広島市農協組合長、広島県農協中央会会長 吉川清二氏2025年7月8日
-
【第46回農協人文化賞】若者を育てる農協に 営農事業部門・北海道農協中央会前会長、常呂町農協前会長 小野寺俊幸氏2025年7月8日
-
小泉農相 随契米放出に「政策効果」 市場落ち着けば備蓄水準戻す2025年7月8日
-
トランプ政権の移民摘発 収穫できず腐る野菜「農家に大きな打撃」2025年7月8日
-
【第46回農協人文化賞】常に農協、農家のため 営農事業部門・全農鳥取県本部上席主管 尾崎博章氏2025年7月8日
-
150年間受渡し不履行がなかった堂島米市場【熊野孝文・米マーケット情報】2025年7月8日
-
2025参院選・各党の農政公約まとめ2025年7月8日
-
米価 6週連続低下 3600円台に2025年7月8日
-
【JA人事】JA秋田しんせい(秋田県)佐藤茂良組合長を再任(6月27日)2025年7月8日
-
【JA人事】JA北九(福岡県) 新組合長に織田孝文氏(6月27日)2025年7月8日
-
【JA人事】JAかながわ西湘(神奈川県)天野信一組合長を再任(6月26日)2025年7月8日
-
【JA人事】JAえひめ中央(愛媛県)新理事長に武市佳久氏(6月24日)2025年7月8日
-
宇都宮市に刈払機を寄贈 みずほの自然の森公園へ感謝と地域貢献の一環 JA全農とちぎ2025年7月8日
-
岡山の農業を楽しく学ぶ 夏休み特別企画「食の学校2025」 JA全農おかやま2025年7月8日