経済事業の収益力向上でJA経営基盤を強化 JA全中2018年9月27日
JA全中はJAの経営基盤を強化するための方針として「基本的な考え方」を決めた。JAが中期計画策定や事業モデルの転換などを検討する際の参考として今後のJA経営に求められる戦略や戦術を整理しており、柱は経済事業の収益力向上としている。
JA全体の収支動向を28年度でみると事業利益は1862億円となっている。内訳は信用事業2194億円、共済事業1423億円、経済事業▲624億円、営農指導事業▲1131億円で、依然として経済・営農指導事業の赤字を信用・共済事業の黒字で補てんしている状況にある。
しかし、信用事業を取り巻く環境は厳しい。資金運用収益は貸出金利息の減少でピークの平成20年度の1兆1259億円から28年度は8694億円と2600億円の減となっているが、今後は市場運用環境の悪化で預け金利息も減少に転じJA経営に影響する。
そのなかで経済事業は赤字額が縮小傾向にある。平成18年度に▲767億円だった事業利益は28年度には▲624億円と赤字を削減した。経済事業のうち農業関連事業についてみると、赤字JAの合計額が▲680億円程度で推移している一方、黒字JAの事業利益合計が伸びているため全JA合計では赤字額の削減につながっている。
こうした状況のなかで「基本的考え方」では、JAの中期計画策定にあたっては、とくに共通管理費配賦後の経済事業利益に目標値(赤字幅の圧縮、黒字幅の拡大など)を設定し経済事業の収益力向上をめざすとしている。
そのうえで中期計画等の策定・実践にあたっての手順や進捗管理について整理し、参考となる事業別の戦略の考え方なども提示しているほか、個別事例についても事例集として示していく。
生産・販売力強化に向けた戦略では▽地域の農業生産拡大、▽マーケットインに基づく販売が柱。生産量拡大には省力化や労働力の確保、JAと連合会との役割分担など、労働生産性の向上では▽多収品種への転換、▽作付け回数などのほか、事業の多角化による収益向上なども戦略項目として位置づけている。
マーケットインに基づく販売についても、加工業者や他JAとの戦略的な提携や、ブランド化のポイント(ストーリー、ネーミングなど)を提示するといったかたちでJAが戦略、戦術を考える際のキーポイントを整理している。同様に営農指導事業などについても整理している。
信用・共済事業については連携による総合事業性の発揮の考え方や、デジタル化やキャッシュレス化の進展と組合員ニーズの変化と多様化に対応するため、サービス提供のあり方の見直しの必要性も提起している。
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】ナスこうがい毛かび病 県内で初めて確認 埼玉県2025年9月9日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県南部地域で多発のおそれ 徳島県2025年9月9日
-
【注意報】ブロッコリー、レタスにオオタバコガ 県内全域で多発のおそれ 徳島県2025年9月9日
-
コシヒカリの概算金、3000円追加 安定供給の責任果たす 全農とちぎ2025年9月9日
-
来年6月の米在庫量200万t超の見込み 小泉農相 備蓄制度見直しも2025年9月9日
-
【石破首相退陣に思う】米政策やり残し無念 JA鳥取県中央会・栗原隆政会長2025年9月9日
-
米価 再び上昇 5kg3891円2025年9月9日
-
あるはずのコメがないという事態を想定して買う卸【熊野孝文・米マーケット情報】2025年9月9日
-
国際復興開発銀行発行「サステナブル・ディベロップメント・ボンド」に投資 JA共済連2025年9月9日
-
鶴岡地域良質米生産推進協議会が作柄検討会を開く JA鶴岡2025年9月9日
-
中国地方の「担い手コンサルティング」累計100件を達成 共同で課題解決へブロック会議を新設 農林中金2025年9月9日
-
「もしもFES渋谷2025」に防災教室ブース出展 巨大地震の疑似体験で備え呼びかけ JA共済連2025年9月9日
-
農業を仕事にする第一歩を応援「新・農業人フェア」15日に開催 農協観光2025年9月9日
-
「令和7年台風第12号」農業経営収入保険の支払い期限を延長 NOSAI全国連2025年9月9日
-
鳥インフル 米マサチューセッツ州など7州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年9月9日
-
中国・四国地方限定 広島県産レモン使用の2商品を発売 ファミリーマート2025年9月9日
-
広島大発スタートアップのプラチナバイオ キユーピーと資本業務提携を締結2025年9月9日
-
ポケットマルシェ 9周年記念「ポケマル収穫祭」30日まで開催中2025年9月9日
-
カニ缶・ゼリーなど「訳ありギフト」最大半額で放出 食品ロス削減も ファミリーマート2025年9月9日
-
9月・10月限定 秋限定の特別な日本酒「ひやおろし」を提案 日本の酒情報館2025年9月9日