31年間で1040万人「バケツ稲づくり」でJAアンケート JA全中2019年11月27日
JAグループのバケツ稲づくり事業は、バケツにミニ田んぼを作り、次世代を担う子どもたちを中心にお米やごはん、稲作文化について理解を促し、農業振興の応援団になってもらうという取り組み。また、学校などでの食農教育にも活用されている。
平成元(1989)年から事業を開始し31年の歴史を刻んでいる。令和元(2019)年の配布で、バケツ稲づくりを体験した子どもたちは、延べ1040万人を超えた。
JA全中は、今年、この事業の効果を検証するため、JAとJA都道府県中央会の担当者にアンケート※を実施した。
バケツ稲づくりに取り組む小学生たち
バケツ稲づくりを実施したJAのうち「バケツ稲づくりの案内をきっかけに、小学校や地域社会とのつながりが深まった」との回答が約7割(68.6%)に上っている。
どのようなつながりができたかという問い(自由回答)には、「農業への関心を持ってもらえた」「将来は農家になりたいという声もあり、担い手育成につながった」「JAの農業まつりに子どもたちの来場が増えた」「JAをより身近に感じてもらうことができた」「感謝祭など学校行事に招待される」「給食での地場産米の供給につながった」「生産資材を購入してもらった」「お礼の手紙をもらった」などの回答があったという。
7割弱が小学校や地域社会との繋がりが深まったと回答
栽培指導(出前授業)をしているJAは55%
また、JAには、初めて取り組む教育機関から、数多くの栽培指導(出前授業)の要望があり、地域社会とのつながりを強めて「農業振興の応援団づくり」につなげようと出向いて対応している。
アンケートでは、バケツ稲を実施したJAのうり、栽培指導を行ったJAは55%に上り、その68%が小学校から依頼されて実施している。さらに、栽培指導を行うのは、JA職員が70%、農家組合員が15%、青壮年部・女性部員が15%となっている。
その効果として、自由回答には、「学校に評判がよくJAのイメージも上がった」「お礼の手紙をもらった」「子どもたちに会ったときに声をかけられる」「農業まつりに子どもたちの来場が増えた」「JAをより身近に感じてもらうことができた」「子どもたちに稲作りを通してJAの活動を知ってもらえた」などの記入があった。
バケツ稲づくり事業が、次世代の子どもたちに農業やお米に対する知識や興味を深め、「農業振興の応援団づくり」のための食農教育に適した教材との認識は、回答者の99.2%が持っており、この事業の継続を望む声はが上がっている。
このアンケートでは、バケツ稲づくり以外でJAが実施している児童向けの食農教育事業についても自由回答で尋ねている。
JAからは、JA施設見学の受け入れ、食育教材(本、ランチョンマット)の配付、野菜苗の提供、各種野菜・果物の栽培・収穫体験、農作業ツアーの招待、学校給食・こども食堂への食材提供、各種教室の開催、学校農園事業としての助成措置、などの回答があった。
回答からは多岐にわたる食農教育・地域社会貢献事業を展開し、地域社会にしっかり寄り添うJAの姿がうかがえる。
(※)回答数=231JA・中央会、調査方法=メール、期間=8月20日?9月30日
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