担い手続け 「作州栗」たわわ JA晴れの国岡山2023年11月1日
農業者の減少と高齢化が進む中で、就業者自ら、体力に合わせた農作物へのゆるやかな転換が注目を集めている。岡山県勝央町にある県森林研究所で40年ほど前に中国から持ち込んだ栗の実から育てた「作州栗」が、他の果樹のように袋掛けなども不要で、米や麦のように毎年植える手間もないため、高齢農業従事者に向いていると話題になっている。
作州栗生産者 森本五月さん(JA晴れの国岡山 提供)
食用栗は、日本原産で、実が大きく、水分が多いため、ようかんなどの和菓子に最適とされる「日本栗」、天津甘栗で知られる「中国栗」、マロングラッセやモンブランなど洋菓子の定番「欧州栗」の三つに大別される。
「作州栗」は中国栗がルーツで、小粒だが甘く、しぶとい「渋皮」がつるりとむきやすいのが特徴だ。害虫に強く、熟すとイガを枝に残したまま、実だけ落ちるため、摘果も簡単な品種。
甘く小粒で食べやすい栗は、高単価での取り引きが期待される。JA晴れの国岡山では、2014年に「作州栗」という名で商標登録をし、ブランド化に力をいれている。
同町の森本五月さんは、同JAの勧めで2014年から作州栗の栽培を手がけている。重機で畝を高く盛り上げた水田に苗を植え、湿害に弱い栗の生育環境を整えた。合わせて手がける米との収穫時期が重ならないよう、収穫時期が異なる品種を選んで植えたという。昨年は台風の被害に見舞われ集荷が落ち込んだが、今年は全国的な高温・少雨にも関わらず、集荷は上々。
現在は40アールのほ場で約100本の栗の木を栽培している森本さん。「体力的に水稲栽培が難しくなった時は、栗の栽培に軸足を移そうと思ってます。年明けには、同規模のほ場を新たに整備し、追加で100本を植える予定です」と話す。
同町では作州栗を手がける農家が80件に増え、今年は約11トンの集荷を見込んでいるという。持続可能な農業を就業者自ら選び、懸命に取り組んでいる姿が伺えた。
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