物流の2024年問題に対応 米専用列車「全農号」 11月から運行スタート2023年11月2日
JA全農は、全農物流(株)、JR貨物とともに11月から米専用列車「全農号」を定期運行させる。物流の2024年問題に対応して鉄道輸送を取り入れ米産地の東北、新潟、北陸から東海・西日本の消費地への輸送ルートを確保する。
米専用列車「全農号」
全農は米の物流で「計画的集約保管の拡大」「トラック中継輸送の拡大」「モーダルシフト」の3つを軸に対策を立てており、今回は鉄道へのモーダルシフトとして貸切貨物列車での輸送を具体化させた。
これまで3回の試験運行を行い、取引先からの発注の確保や輸送中の米の品質確認など、定期運行化に向け準備を進めてきた。
定期運行では週末のダイヤを利用し、青森県の八戸貨物駅を出発し、東青森駅、秋田貨物駅、新潟、金沢などで米を積み込み、大阪市の百済貨物ターミナル駅まで輸送する。
百済からは別の貨物列車に積み換えて愛知や西日本の貨物駅へ輸送、そこからはトレーラーで米卸の精米工場に輸送する。
定期運行の初列車は11月5日(日)夜に出発、6日(月)夕方に百済貨物ターミナルに着く。コンテナ100基分(約500t)を輸送する。
3月まで月に2便を基本に運行する。4月以降は週1回運行する方向でJR貨物などと協議をしている。
この取り組みは輸送時間がかかるため、取引先からの発注を早期化する必要がある。全農は「販売先にも理解を得ながら準備を進めてきた。米の安定供給に努めていきたい」としている。
コンテナ輸送はCO2排出量削減にもつながり、トラック輸送にくらべ10分の1となる試算もある。カーボンニュートラルに寄与する取り組みでもある。
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