組合員の声を事業に 新世紀JA研究会がJAぎふでセミナー2023年11月13日
全国のJA役職員有志からなる新世紀JA研究会(三角修代表)とJAぎふは11月7、8日、同JAで第30回の全国現地セミナーを開き、組合員の声を生かした事業を展開するJAぎふの取り組みを学ぶとともに、改めて組合員との対話の重要性を確認した。JAぎふは組合員との対話運動を深化させるため、支店を中心とする意見集約の仕組みを確立し、対話活動を実効あるものにしている。

JAぎふの取り組みは「すべては組合員とともに」のコンセプトのもと、組合員と向き合う事業展開を目指している。岩佐哲司組合長は、これまでに実施してきた訪問による対話について「形式的で、農協の目線の訪問活動だったかも」との反省がある。この反省から新たな取り組みが始まった。
何のために対話するのか分からず訪問する職員も多かったため、同JAでは職員共通のフレームワークを設定。「私たちは組合員の期待に応えるため、支店が中心となり、総合的なサービスをもって組合員の財産活用と暮らしのお手伝いをします」を、行動指針として訪問活動に関する意識を統一した。
訪問などで得た組合員の声は、「暮らしの相談受付簿」や「つなぐつながるボックス」を通じて職員、役員で共有する。特に暮らしの相談受付簿は、「職員の業務対応や人となりがよく分かり、所属長との信頼関係が深まり、職員のやりがいにつながっている」と岩佐組合長はみている。
また、今年から導入した「提案ミーティング」があり、JAの役員や各部署の職員が組合員への提案事項を協議し、提案する。また支店と本部のパイプ役を果たす「支援部長」(4人)を設置。支店の円滑な運営、フレームワークに沿った活動ができる人材育成、継続性のある引き継ぎの確立などの役目を果たす。
同JAでは組合員の声を反映した事業を次々と実現。「見守りサポート」「暮らしのサポート契約」「青年後継制度」などの事業のほか、廃止した支店などの施設を活用した地域の人のふれあいの場となる「山県バスケット」「ふれあいプラザ」などが生まれている。
セミナーではこのほか、福井県民生協が高齢化した組合員や地域の生活上のニーズに応えるため店舗・宅配・福祉を兼ねた複合生活拠点の創出、ファミリーマートと提携し、交流施設も併設した地域の保活センターの運営などを報告した。また同JAは、安全・安心な食料確保、地産地消の取り組みで、生協自ら20㌶余りの農場を経営し、食と農をつなぐ事業に取り組んでいる。
なお、セミナー閉会のあいさつで岩佐組合長は、「職員同士、職員と組合員が議論する場が少なくなった。今回のセミナーのような議論の機会を広げる必要がある」と結んだ。なお次回の全国現地セミナーは来春、長野県のJA松本ハイランドで開催する予定。
協同活動強化を提案
セミナーでは、過去のセミナーを含め、これまでの協議内容をもとに大会アピールを採択した。特に今回、新たに「みどりの協同活動強化運動」を提案。「JAは農業振興を旨とする組織であるとの認識のもと、正・准組合員が一体となって農業振興に取り組む」とうたっている。新世紀JA研究会は、このアピールをもとに大会終了後、毎回、農林中金やJA全国組織、国会議員、農水省などに要請活動を展開している。
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】シキミ、カンキツにチュウゴクアミガサハゴロモ 県内で初めて確認 宮崎県2025年11月6日 -
【注意報】野菜類・花き類にチョウ目害虫 県内全域で多発のおそれ 埼玉県2025年11月6日 -
米の生産費高止まり 60kg1万5814円 24年産米2025年11月6日 -
栗ご飯・栗タマバチ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第363回2025年11月6日 -
輸出の人気切り花スイートピー生産の危機【花づくりの現場から 宇田明】第72回2025年11月6日 -
運用収益が改善 期初計画上回り給付還元財源を確保 JA全国共済会2025年11月6日 -
熊本県の大雨被害に災害見舞金を贈呈 JA全国共済会2025年11月6日 -
千葉県から掘りたてを直送「レトルトゆで落花生 おおまさり」販売開始 JAタウン2025年11月6日 -
「たすけあい story エピソード投稿キャンペーン」 公式X・Instagramで募集開始 抽選で特選ギフト JA共済連2025年11月6日 -
東京育ち 幻の黒毛和牛「東京ビーフ」販売開始 JAタウン2025年11月6日 -
GREEN×EXPO2027まで500日 横浜市18区で一斉の取り組みで機運醸成2025年11月6日 -
オンライン農業機械展示会「オンラインEXPO 2025 WINTER」を公開中 ヤンマー2025年11月6日 -
第6回全社技能コンクールを開催 若手社員の技術向上を目的に 井関農機2025年11月6日 -
兵庫県 尼崎市農業祭・尼崎市そ菜品評会「あまやさいグランプリ」9日に開催2025年11月6日 -
静岡・三島でクラフトビール×箱根西麓三島野菜の祭「三島麦空」開催2025年11月6日 -
森林・林業業界の持続的価値創出へ「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」実施 森未来2025年11月6日 -
ホクトのエリンギ プリプリ食感になって26年振りにリニューアル2025年11月6日 -
豆乳生産量 2025年度7-9月期 前年同期109% 日本豆乳協会2025年11月6日 -
鳥インフル 米イリノイ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年11月6日 -
鳥インフル 英国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年11月6日


































