金融仲介機能に磨き【年頭あいさつ 2024】奥和登 農林中央金庫 代表理事理事長2024年1月1日
新年あけましておめでとうございます。
2024年もJAcom農業協同組合新聞をよろしくお願い申し上げます。
JAcomでは、元日から3日まで、農林水産大臣をはじめJAグループ全国連、農業関連団体のトップなどによる年頭のあいさつを掲載しています。
謹んで新年のご挨拶を申しあげます。
日頃よりJAバンクの運営に格別のご尽力をいただいておりますとともに,当金庫業務につきましても多大なご支援・ご協力を賜っておりますことを厚く御礼申しあげます。
昨年5月、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行し、本格的に経済活動が再開されてきた一方、生産資材等の価格高騰は依然として収まらず、昨夏は猛暑にも見舞われるなど、農業者の皆様を取り巻く環境は厳しさを増しております。こうした状況下で、「食料・農業・農村基本法」の見直しに向けた議論が進み、JAグループでは第30回全国大会を控えるなど、農業分野は大きな節目にあると考えております。当金庫およびJAバンクとしては、農業者の皆様への金融・非金融両面のサポートを継続するとともに、JAグループをはじめとした関係団体等と協力して対応を進めてまいります。
さて、JAバンクでは2022年度から3か年の中期戦略を打ち出しております。農業・くらし・地域の3領域で、各JAが管内の実情を鑑みて中長期的に目指す姿を整理したうえで、JAの総合事業を活かした「JAバンクならではの金融仲介機能」を最大限発揮するための取組みを進めております。
農業の領域では、出向く活動を起点とした農業者のニーズ把握徹底と円滑な資金対応に取り組むとともに、農業者所得の向上に向けて「担い手コンサルティング」にも力を入れております。この取組みの特徴は、担い手の課題を「見える化」し、それに対してJAの営農経済事業や関係団体とも連携した解決策を提案する点にあります。2023年度にJAバンク全体でこの取組みを実施した担い手の数は、約300となりました。
くらしの領域では、一人ひとりが抱えるライフプラン上のニーズを踏まえた提案の実践に取り組んでおります。2024年からはNISA制度も大幅に改正されますので、資産形成・運用をはじめ、組合員・利用者の皆様の豊かなくらしの実現に尽力してまいります。
地域の領域では、情報格差の解消を目標とした「全国JAスマホ教室」を今後も展開するとともに、地域活性化に取り組むJAをサポートする「ふるさと共創事業」にも取り組んでおります。行政・地域関係者等との連携も強化し、地域固有の課題やニーズに対応した地域活性化策を実践してまいります。
こうした取組みを進めるため、引き続き組合員・利用者目線を前提とした業務効率化に加えて、JAバンクが役割を発揮できているか、組合員・利用者の皆様から客観的な評価をいただくための「満足度調査」を実施し、今後の事業運営に活かしていきます。
最後になりますが、当金庫は昨年12月に100周年を迎えたところです。今年は、次の100年も皆様のお役に立てる組織を目指し、未来に向けて種をまく年にしたいと考えております。引き続き皆様のご支援・ご協力を賜りますようお願い申しあげますとともに、今年一年のご健勝とご繁栄をお祈り申しあげ、新年のご挨拶とさせていただきます。
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