クボタ、BASFと営農支援システム連携の実証試験開始 JA全農2024年3月18日
JA全農、クボタ、BASF デジタルファーミング、BASFジャパンは、JA全農とBASFが国内で開発・推進する栽培管理支援システム「xarvio FIELD MANAGER(ザルビオ フィールドマネージャー)」とクボタが開発・推進する営農・サービス支援システム「KSAS(クボタスマートアグリシステム)」のシステム連携の実証試験を開始した。

実証試験では、人工衛星センシング画像からザルビオ フィールドマネージャーが作成した可変施肥マップのデータをKSAS経由で取り込んだクボタ製田植機で施肥作業を行い、システム機能や操作性を確認する。
日本の農業分野では、担い手の減少・高齢化の進行等による労働力不足が課題となっており、農地集約によって経営体当たりの栽培面積が拡大していることから、スマート農業の導入による生産性の向上が求められている。また、政府が食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立を目的に策定した「みどりの食料システム戦略」では化学肥料使用量の30%低減が掲げられていることや、海外情勢の変化に伴う農業資材価格の高騰により、無駄がなく効果的な施肥の必要性が高まっている。
こうした課題の解決に向けて、JA全農とBASFは栽培管理支援システム・ザルビオ フィールドマネージャーを2021年4月から日本に導入し、普及を進めている。ザルビオ フィールドマネージャーは、人工衛星解析による作物の生育状況の見える化や人工知能(AI)による生育予測、病害/雑草の発生予測を行い、最適な栽培管理を提案・支援するシステム。また、人工衛星センシング画像から見える化した生育状況を基に、ほ場内の施肥量を調節する「可変施肥マップ」を作成でき、対応農機と連携することで施肥量の最適化が可能となる。
クボタは、ほ場情報や作業履歴、収穫実績、農機の稼働情報等をパソコンやスマートフォン等を使って管理・閲覧できる営農・サービス支援システム・KSASを提供。作物・作業情報の見える化を通して、安心・安全でおいしい農作物を効率よく生産することをサポートしている。また、KSAS対応農機と連携させることで、作業日誌の自動作成や、KSASで作成した可変施肥マップを用いた施肥作業などができる。
3者は生産性向上と無駄な肥料の抑制の両立に資する可変施肥をより普及させるため、KSASとザルビオ フィールドマネージャーのシステム連携に向けた実証を開始。ザルビオ フィールドマネージャーからKSASへのデータ移行にはクボタが提供するデータ連携ツール「KSAS API」を使用する。
この連携により、ザルビオ フィールドマネージャーの可変施肥マップを用いたKSAS対応田植機での可変施肥作業をシームレスに行うことが可能となる。また、KSASにおいて可変施肥マップ作成時に参考とする作物生育状況や前年の収穫結果等のデータが揃わないほ場でも、ザルビオ フィールドマネージャーの人工衛星センシング画像から作成した可変施肥マップを使うことで、手軽に可変施肥を始められ、作業内容を自動でKSAS上の日誌に記録することも可能になる。
さらに、これまでザルビオ フィールドマネージャーの可変施肥マップのデータはUSBメモリーを介して農業機械に取り込んでいたが、KSASとのシステム連携により物理的にデータを持ち運ぶことなくデータ移行が行えるようになる。
今後は、KSASのKSAS APIを活用してザルビオ フィールドマネージャーとKSAS間のシステム連携を行い、ザルビオ フィールドマネージャーの可変施肥マップを基にしたKSAS対応田植機による可変施肥を実現することで、効率的なデータ移行による農業現場の労働生産性の向上、施肥量の最適化による生産コストの低減を目指す。
実証試験の様子
また、2023年度はKSAS APIを活用したザルビオ フィールドマネージャーとKSASのシステム連携機能の開発、ユーザーのほ場での可変施肥の実証試験を行い、ユーザーによる機能や操作性の評価も行う。連携機能の正式リリースは2024年春を予定。
実証試験の結果を踏まえ、田植機以外の可変施肥対応農機への展開も検討する。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】冬春トマトなどにコナジラミ類 県西部で多発のおそれ 徳島県2025年11月7日 -
エンで「総合職」「検察官」を公募 農水省2025年11月7日 -
JPIセミナー 農水省「高騰するコスト環境下における食料システム法の実務対応」開催2025年11月7日 -
(460)ローカル食の輸出は何を失うか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年11月7日 -
「秋の味覚。きのこフェア」都内の全農グループ店舗で開催 JA全農2025年11月7日 -
茨城県「いいものいっぱい広場」約200点を送料負担なしで販売中 JAタウン2025年11月7日 -
除草剤「クロレートS」登録内容変更 エス・ディー・エス バイオテック2025年11月7日 -
TNFDの「壁」を乗り越える 最新動向と支援の実践を紹介 農林中金・農中総研と八千代エンジニヤリングがセミナー2025年11月7日 -
農家から農家へ伝わる土壌保全技術 西アフリカで普及実態を解明 国際農研2025年11月7日 -
濃厚な味わいの「横須賀みかん」など「冬ギフト」受注開始 青木フルーツ2025年11月7日 -
冬春トマトの出荷順調 総出荷量220トンを計画 JAくま2025年11月7日 -
東京都エコ農産物の専門店「トウキョウ エコ マルシェ」赤坂に開設2025年11月7日 -
耕作放棄地で自然栽培米 生産拡大支援でクラファン型寄附受付開始 京都府福知山市2025年11月7日 -
茨城県行方市「全国焼き芋サミット」「焼き芋塾」参加者募集中2025年11月7日 -
ワールドデーリーサミット2025で「最優秀ポスター賞」受賞 雪印メグミルク2025年11月7日 -
タイミーと業務提携契約締結 生産現場の労働力不足の解消へ 雨風太陽2025年11月7日 -
スマート農業分野の灌水制御技術 デンソーと共同で検証開始 ディーピーティー2025年11月7日 -
コクと酸味引き立つ「無限エビ 海老マヨネーズ風味」期間限定で新発売 亀田製菓2025年11月7日 -
おいしい「いわての原木しいたけ」銀河プラザで販売会 岩手県2025年11月7日 -
AGRIST 東京Sustainable Food Museumで1か月間のPOPUP開催2025年11月7日


































