【年頭あいさつ 2025】つながり強化戦略推進 奥和登 農林中央金庫 代表理事理事長2025年1月2日
新年あけましておめでとうございます。
2025年もJAcom農業協同組合新聞をよろしくお願い申し上げます。
JAcomでは、農林水産大臣をはじめJAグループ全国連、農業関連団体のトップなどによる年頭のあいさつを順次掲載します。
奥和登
農林中央金庫
代表理事理事長
謹んで新年のご挨拶を申しあげます。
日頃よりJAバンクの運営に格別のご尽力をいただいておりますとともに、当金庫業務につきましても多大なご支援・ご協力を賜っておりますことを厚く御礼申しあげます。
昨年は、世界的な物価上昇を受けた生産資材コストの高止まりに加え、夏場の猛暑や度重なる自然災害が各地を襲うなど、私どもの事業基盤である農林水産業にも多大な影響がありました。そのような状況のなか、国内の農政では 25年ぶりとなる「食料・農業・農村基本法」が改正されて食料安全保障や農業の環境負荷低減の理念が反映されるなど、日本の農業は大きな転換点を迎えています。
JAバンクでは、昨年12月に次期3か年の「JAバンク中期戦略(2025~2027年度)」を策定しました。この戦略は、JAバンクが3年ごとに策定する全国的な総合戦略であり、地域特性を踏まえた県域戦略の基盤となります。JAグループでは、「持続可能な農業の実現」「豊かでくらしやすい地域共生社会の実現」「協同組合としての役割発揮」を目指しています。JAバンクもこれに沿って、農業・くらし・地域領域の多様なニーズに応える総合事業を活かした金融仲介機能を強化し、JAグループの目指す姿の実現に向けて、信用事業を起点とした役割発揮に取り組みます。
現在、国内の人口や農業経営体の減少に伴い、JAの組合員や利用者も減少傾向にあります。また、コロナ禍を経てデジタル化が急速に進展し、利用者のニーズも変化しています。これに対応するため、次期戦略では「つながり強化戦略」を掲げ、組合員や利用者との関係を維持・強化する取組みを進めていきます。
具体的には、まず、組合員や利用者の視点に立ったサービスと体験を提供するために、皆様が抱える経営課題やライフプランを一緒に"見える化"しながら、ニーズの深掘りと発掘に努めるとともに、総合事業体として有する多様なサービス提供を徹底していきます。次に、リアルとデジタルを融合させ、組合員や利用者がストレスなく地域とのつながりを実感できる接点を構築するべく、デジタルインフラの開発にも注力していきます。
さらに、JAの持続可能な経営基盤を確保するため、総合事業全体で経営戦略の高度化を図ります。具体的には、組合員や利用者、職員の声を反映した経営戦略の策定と実践に取り組むとともに、県連・全国連との連携を強化し、JAの取組みを支援していきます。
最後になりますが、JAバンクの組合員や利用者の皆様には、当金庫の財務について、ご心配をおかけしていることについてお詫び申しあげます。目下取り組んでおりますポートフォリオの改善によって早期に財務改善を図り、JAバンクの事業基盤をしっかり支えていくことが出来ると考えております。組合員や利用者の皆様が引き続き安心してご利用いただけるよう、全力を尽くすことをお約束するとともに、皆様の今年一年のご健勝とご繁栄をお祈り申しあげ、新年のご挨拶とさせていただきます。
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