【年頭あいさつ 2025】医療、福祉の充実に一丸 長谷川浩敏 全国厚生農業協同組合連合会 代表理事会長2025年1月2日
新年あけましておめでとうございます。
2025年もJAcom農業協同組合新聞をよろしくお願い申し上げます。
JAcomでは、農林水産大臣をはじめJAグループ全国連、農業関連団体のトップなどによる年頭のあいさつを順次掲載します。
長谷川浩敏
全国厚生農業協同組合連合会
代表理事会長
令和7年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
日頃よりJA厚生事業にご理解とご協力を賜り厚く御礼を申し上げます。
農業情勢では、昨年5月に「農政の憲法」である「食料・農業・農村基本法」の改正案が成立しました。食料安全保障の確保が法律の目的に加えられ、適正な価格形成の実現につながる記載がなされるなど、わが国の農業は歴史的な転換点を迎えました。
医療情勢でも、医療・介護・障害福祉の報酬トリプル改定が実施され、医療提供体制の大きな転換点となりました。この改定では、高齢者に視点を置いた地域包括ケアシステムの更なる推進や、医療機能の分化・連携の強化が図られました。特に、在宅医療の充実や介護サービスとの連携強化、リハビリテーションの質の向上などが重点的に評価される結果となりました。また、障害福祉サービスにおいては、地域生活支援の拡充や就労支援の強化が図られ、より包括的な支援体制の構築が進められました。
一方で、昨年は物価高騰が続き、医療機関にも大きな影響を及ぼしています。エネルギーコストや医療材料費、建築費等の上昇により、多くの医療機関が経営面で厳しい状況に直面しています。特に、診療報酬が公定価格であるため、コスト増加分を価格に転嫁できず経営を圧迫する要因となっており、地域医療の持続に関する懸念が高まっています。
本年においては、団塊の世代の多くが75歳以上となる年となり、国の地域医療構想の実現に向けた重要な年となります。厚生労働省は、さらに2040年を見据えた医療・介護提供体制の構築を目指しており、地域包括ケアシステムの深化や医療機能の分化・連携のさらなる推進が求められています。
また、医師の働き方改革が本格的に始動し、医療現場では労働時間管理の厳格化や勤務環境の改善が急務となっています。同時に、医療DXの加速により、電子カルテの標準化や全国医療情報プラットフォームの構築など、効率的で質の高い医療サービスの実現に向けた取組が進められています。
医療機関における人材確保と経営の安定化は、依然として医療界全体の重要な課題となっています。特に深刻なのは、地域間での医師の偏在問題です。
都市部では医師数が比較的充足している一方で、地方や過疎地域では深刻な医師不足に直面しています。この偏在は、単に医師の絶対数不足だけでなく、地域間での不均衡な分布が原因となっています。その結果、地方では必要な医療サービスを受けられない住民が増加し、地域医療の質の低下につながっています。
このような変革の時代において、JA厚生連は地域に根ざした医療・介護サービスの提供者として、より一層の役割を果たしていく必要があります。地域住民が安心して保健・医療・高齢者福祉サービスを受けられ、健康に暮らすことができるよう、JA厚生連役職員一丸となって取り組んでまいります。
本年も、皆様方から、引き続きご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げ、新年のご挨拶といたします。
重要な記事
最新の記事
-
Sagra della Porchetta Italica(イタリアの伝統的な焼き豚祭り)【イタリア通信】2025年9月20日
-
【人事異動】JA全農(10月1日付)2025年9月19日
-
【注意報】ダイズ、野菜類、花き類にハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2025年9月19日
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】トランプ流企業統治改変の怪しさと日本への影響2025年9月19日
-
【サステナ防除のすすめ2025】秋まき小麦防除のポイント 除草とカビ対策を2025年9月19日
-
農業土木・鳥獣対策でプロフェッショナル型キャリア採用 課長級の即戦力を募集 神戸市2025年9月19日
-
「ヒノヒカリ」2万9340円 JAおおいたが概算金 営農支援が骨子2025年9月19日
-
米価下落に不安の声 生産委員 食糧部会2025年9月19日
-
【石破首相退陣に思う】地方創生、もっと議論したかった 日本共産党 田村貴昭衆議院議員2025年9月19日
-
配合飼料供給価格 トン当たり約550円値下げ 2025年10~12月期 JA全農2025年9月19日
-
(453)「闇」の復権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月19日
-
「1粒1粒 愛をコメて」来年産に向けた取り組み 令和7年度 水稲高温対策検討会を開催 JA全農ひろしま2025年9月19日
-
9月21日に第6回「ひろしまの旬を楽しむ野菜市」 「3-R」循環野菜や広島県産野菜を販売 JA全農ひろしま2025年9月19日
-
JA全農主催「WCBF少年野球教室」熊本市で27日に開催2025年9月19日
-
「長崎県産和牛フェア」東京・大阪の直営飲食店舗で開催 JA全農2025年9月19日
-
大阪・関西万博で「2027年国際園芸博覧会展 未来につなぐ花き文化展示」開催 国際園芸博覧会協会2025年9月19日
-
東京科学大学と包括連携協定を締結 農研機構2025年9月19日
-
日本の稲作を支えるデジタル技術を大阪・関西万博で紹介 BASFジャパン2025年9月19日
-
素材のおいしさ大切に 農協シリーズ「信州あづみ野のむヨーグルト」など新発売 協同乳業2025年9月19日
-
オートノマス水素燃料電池トラクタを万博で初披露 クボタ2025年9月19日