病害アラートによる農薬の適正散布 JA山口県【環境調和型農業普及研究会】2025年9月24日
8月22日にJA全農が開いた環境調和型農業普及研究会でJA山口県は病害アラートによる農薬の適正散布の実証試験について報告した。
実証を行ったのは美祢市秋吉町の農業法人。地区の農地の維持・管理のため2015年に設立された。役員7人を含む11人で日々の作業を行っている。
栽培品目は主食用米8.9ha、加工用米1.3ha、飼料用米7.8ha、大豆9.9ha、麦7.4haで合計35.3ha。ほ場の数は150枚近くある。
2019年にZ‐GISを導入した。それまでほ場管理はエクセルで行っていたが毎年の作付け変更にともなう防除の指示などの色塗りが負担となっていた。それをZ‐GISの色分け、ラベル表示などの機能を活用することで労力削減につながった。
ただ、150枚近くほ場を全部巡回することに労力がかかるほか、天気や気温が見通せないため生育見込みやそれに伴う管理に不安を感じていたところ、Z‐GISと連携できる人工衛星を活用した栽培管理システムに関心を持ち、ザルビオフィールドマネジャーを導入することにした。
取り組みの内容は、グリーンメニューのうちの「ザルビオ(病害アラート)による農薬適正散布の取り組み」。病害アラートの有用性を確認することによって、水稲栽培での化学農薬の使用低減をめざすことにした。
基本はJAが作成する栽培暦に準じた時期に病害防除を実施することだが、ここ数年の異常気象によって水稲の傾向が早まる傾向が出ていた。その際、暦に記載されている散布時期とズレが生じた場合の判断が難しく、防除適期を逃してしまう可能性があることが課題となった。
実証内容は「きぬむすめ」をザルビオ区と慣行区に分けて、ザルビオ区では病害アラートに従ってドローンで防除を行う。ただし、アラートが出ない場合は慣行区に準じた防除を行うことにした。
2023年度はアラートが出なかったが、24年度は8月26日に穂いもちアラートが出て、天候を確認し、降雨予測が過ぎた時点で農薬を散布した。法人によると、出穂が昨年より1週間遅かったが、ザルビオの生育ステージ予測が正確で病害アラートを見ながら1kmメッシュの天気予報を踏まえて適期に散布できたという。
いもち病の影響で収量減を心配したが、前年並みの収量となり結果に満足している。ザルビオのアラートどおりに散布したことで補完防除を省くことができ、労力も散布量も削減することができたという結果が得られた。
25年産でもザルビオの予測や病害アラートに助けられながら環境調和型農業に取り組んでいる。担当者はザルビオのアラートは正確と判断し、予測する生育段階を目安にカメムシ防除にも活用しているという。
これらの成果をもとに来年度以降、JA山口県では実証内容を県内のザルビオユーザーに横展開し、県内全体の化学農薬削減に寄与する方針だ。
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