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【農協研究会】准組合員問題―その経緯・重要性・従来の対策・今後の解決策―JA松本ハイランド代表理事組合長・田中均氏2025年11月18日

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11月15日に「准組合員問題にJAはどう正面から向き合うか」をテーマに開かれた農業協同組合研究会2025年度第1回研究会では、JA松本ハイランド代表理事組合長の田中均氏が「准組合員問題―その経緯・重要性・従来の対策・今後の解決策―」をテーマに「解題」を話した。田中組合長は、准組合員は農業振興のためにあるとし、准組合員の事業利用が営農指導や農業関連事業を支えるために必要だと説いた。以下はその要旨である。

JA松本ハイランド代表理事組合長・田中均氏JA松本ハイランド代表理事組合長・田中均氏

准組合員問題について何もしていないJAを代表して、どういう問題意識をもって考えているかお話したい。

JA松本ハイランドの組合員は約4万人で、正組合員と准組合員との割合は「6対4」だが、毎年、正組合員が減って准組合員が増えているので、近い将来「5対5」になる。准組合問題に今から手を着けなければならないという意識で、JAはだのとJAいちかわにお邪魔し勉強させてもらった。

みなさんに知っていただき、それぞれのJAで取り組むきっかけにしてはどうかということで、本日の研究会に至った。

●員外利用制限をクリアするため

JAが准組合員加入を進めてきたのは、農協法が事業利用の対象を組合員(正・准)と員外とに分けたことにある。准組合員になってもらえれば員外利用制限をクリアできることから准組合員の加入を進めてきた。

正准の比率は1960年には88対12だった。それが2023年には38対62になった。准組合員がそれだけ多くなった時、JAは正組合員だけを相手にしていていいのか。

●農協改革の嵐を経て―ボールはJAの手に

2014年に政府の規制改革会議から「准組合員の事業利用は正組合員利用の2分の1を超えてはならない」との提言があった。それを機とした農協改革の嵐の中で、JAグループは中央会制度の廃止(全中の一般社団法人化)を差し出すことによって、准組合員の事業利用規制問題はペンディングになった。

ただしその後、2021年に閣議決定された規制改革実施計画で「自己改革のPDCAサイクルを農水省が指導・監督する」ことになったが、その中に「准組合員の意思反映」が入った。これについては具体的にどんな意思の反映なのかは明確にされなかったが、2018年、当時の農水省大澤経営局長は、准組合員問題について「自分たちで考えて提案すべき」と発言した。なので「ボール」はJAにあるということだ。だからみんなで取り組まないといけない。

●准組合員の意思反映とは

これまで、ほとんどのJAには、本格的な准組合員対策は存在しなかった。うちも含めてほとんどのJAは成り行き任せで、准組合員自身もJAのメンバーという自覚はなかった。

准組合員には正組合員の家族、元農家の家系、地元・JAと関係が大きい人、住宅ローンなどの利用者がいる。「准組合員の意思反映」といった時、問題は、准組合員の何の意思を反映するかだ。住宅ローンの金利下げてとか、お米高いよねとか「何でも反映」だと、JAはJAでなくなる恐れもある。

●農業振興の応援団

これまでは、何となく意思を聞こうという程度で、准組合員の何の意思を聞くかまで深掘りをしていなかったのではないかというのが私たちの反省だ。「准組合員制度は農業振興のためにある」という理論武装と実績づくりが重要だ。

昨年25年ぶりに改正された「食料・農業・農村基本法」が唱えている食料安全保障の期待に応えるために准組合員の意思を農協に採り入れる、という理屈が一つ言えるのではないかと思う。農家だけでは農家を守れない状況の中で、准組合員を農家の応援団になっていただき、農業振興に理解、貢献をしていただいて食料自給率の向上に寄与する。食料の安定供給のためには、消費者も含めて広く国民的関心事として人々が力を合わせて取り組まなければならない。

●准組合員の事業利用の意義

准組合員の事業利用は農業者の事業利用に支障をきたすものではなく、むしろ営農指導や農業関連事業を支えるために必要だということを訴え、理解してもらうことがもう一つの切り口だ。安倍元首相は「准組合員の事業利用によって正組合員である農業者へのサービスが疎かになる」と2015年に国会答弁した。だが、准組合員のJA事業利用の意義は、利用量拡大を通してJAの経営を安定させ、JAの農業者への安定的サービスの提供(営農指導など)を可能にするものである。

この2つの視点(農業振興の応援団、事業利用による農協経営の安定)をもって、ではどう実践したらいいかは各農協それぞれやり方は違っていいが、これからご発表いただく2つの優良実践事例を共有し、これからの取っ掛かりにしていただければと思う。

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