JAの活動:新世紀JA研究会 課題別セミナー
【総合JAビジョン確立のための危機突破・課題別セミナー】 公認会計士監査の概要と対応(下) ポイント押さえ最短距離で2016年11月18日
会計基準を厳格に適用
内部統制運用をチェック
【内部統制面の具体的な対応のポイント】 公認会計士監査で確認する内部統制は単に経理部門の内部統制だけではありません。ここでは、特に対応のための負担が重いと思われる「業務処理統制」と「IT対応」についてポイントを解説します。
(1)業務処理統制
業務処理統制とは本店や支店、営農センターなどにおける事務手続レベルでの内部統制を意味します。信用事業でいえば統一事務手続とご理解下さい。
この業務処理統制の対応のポイントは、公認会計士は農協の業務処理統制の全てを確認しないということです。
公認会計士は事務手続のうち、「財務報告に係る業務処理統制」、つまり「正しい決算書を作成するための重要な業務処理統制」(=キーコントロール)を確認します。
また、公認会計士は「リスクアプローチ」と呼ばれる監査を行います。例えば、経済事業であれば、「購買供給高を誤って計上しないようにするためにどのような事務手続を行なっているか」という視点で確認を行ないます。つまり、公認会計士監査に必要な業務処理統制が予め決まっていてそれを確認するのではなく、決算書を誤らせる事象(=リスク)に対応する内部統制を農協ごとに把握、確認することになります。
1.経済事業の業務処理統制
経済事業の特徴として(イ)事業が多様(ロ)少人数で運営(ハ)業務ルールの整備が不十分、という傾向があります。このような状況の中、いまから新しい事務手続をたくさん盛り込んでも現場は消化し切れません。上記のリスクアプローチの考え方を駆使してキーコントロールを絞り込むことが重要です。
2.信用・共済事業の業務処理統制
信用・共済事業には経済と異なり事務手続が系統から定められています。公認会計士監査への対応のために新規の事務手続が追加される可能性は低いと考えられることから、現状の事務手続の運用徹底が重要となります。
事務の継続的な運用徹底には内部管理態勢の整備が欠かせません。内部管理態勢とは、農協自らが事務の不備(やるべきことをやっていない)を発見し改善するPDCAサイクルを意味します。
(2)IT対応
公認会計士監査では、「正しい決算書を作成する」ことに貢献しているシステムを確認する場合があります。農協で使用されているシステムは(1)農協の独自システム(2)県域のシステム(3)全国段階のシステムに分類されます。
このうち(1)に関して、農協の独自システムが存在するか、存在する場合には公認会計士が確認するほど「正しい決算書を作成する」ことに貢献しているのか、を見極めることが重要となります。
【まとめ】
農協改革の完遂のためには、公認会計士監査対応は最短距離で済ませる必要があります。各農協が、公認会計士監査の仕組み、対応のポイントを理解することが重要であり、適切な理解に基づき対応を進めることで乗り越えることができると考えられます。まずは、各農協で公認会計士監査のために実施すべきことの有無を見極めることに取り組んでいただくことが重要です。
(写真)新世紀JA研究会の要請活動(農水省で)
【本文に関する問い合わせ先】
▽戸津禎介 090―6014―9385 tadasuke.tozu@tohmatsu.co.jp
▽高山大輔 090―6495―8342 daisuke.takayama@tohmatsu.co.jp
・【総合JAビジョン確立のための危機突破・課題別セミナー】公認会計士監査の概要と対応(上)ーはじめに、公認会計士監査とは
重要な記事
最新の記事
-
第21回イタリア外国人記者協会グルメグループ(Gruppo del Gusto)賞授賞式【イタリア通信】2025年7月19日
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】「政見放送の中に溢れる排外主義の空恐ろしさ」2025年7月18日
-
【特殊報】クビアカツヤカミキリ 県内で初めて確認 滋賀県2025年7月18日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2025年7月18日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2025年7月18日
-
『令和の米騒動』とその狙い 一般財団法人食料安全保障推進財団専務理事 久保田治己氏2025年7月18日
-
主食用10万ha増 過去5年で最大に 飼料用米は半減 水田作付意向6月末2025年7月18日
-
全農 備蓄米の出荷済数量84% 7月17日現在2025年7月18日
-
令和6年度JA共済優績LA 総合優績・特別・通算の表彰対象者 JA共済連2025年7月18日
-
「農山漁村」インパクト創出ソリューション選定 マッチング希望の自治体を募集 農水省2025年7月18日
-
(444)農業機械の「スマホ化」が引き起こす懸念【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月18日
-
【サステナ防除のすすめ2025】水稲害虫の防ぎ方「育苗箱処理と兼ねて」2025年7月18日
-
最新農機と実演を一堂に 農機展「パワフルアグリフェア」開催 JAグループ栃木2025年7月18日
-
倉敷アイビースクエアとコラボ ビアガーデンで県産夏野菜と桃太郎トマトのフェア JA全農おかやま2025年7月18日
-
「田んぼのがっこう」2025年度おむすびレンジャー茨城町会場を開催 いばらきコープとJA全農いばらき2025年7月18日
-
全国和牛能力共進会で内閣総理大臣賞を目指す 大分県推進協議会が総会 JA全農おおいた2025年7月18日
-
新潟市内の小学校と保育園でスイカの食育出前授業 JA新潟かがやきなど2025年7月18日
-
令和7年度「愛情福島」夏秋青果物販売対策会議を開催 JA全農福島2025年7月18日
-
「国産ももフェア」全農直営飲食店舗で18日から開催 JA全農2025年7月18日
-
果樹営農指導担当者情報交換会を開催 三重県園芸振興協会2025年7月18日