JAの活動:新世紀JA研究会 課題別セミナー
JAと共同資材店 両者の強み生かす【木村泰行・アイアグリ(株)代表取締役社長】2018年7月11日
現場でも感じているのですが、セミナーで全農の話を聞いて、今回のJA改革で、肥料・農薬・農機事業で、かなり新しい取り組みが進んでいるのだな、という印象をうけました。むかしは全農が肥料の銘柄を絞ることなどは考えられませんでした。
事業を評価するのは農家・生産者です。どのような改革も生産者から評価されて、初めて改革と言えるのではないでしょうか。
アイアグリは「家業の農業」から「産業としての農業」への転換を支援する、農家のための農業資材専門の農業総合支援企業です。社名の「アイ」は「innovation」(イノベーション)の「I」です。
1986年、茨城県土浦市で「新進(株)」として発足しました。資本金9700万円で、主要株主は住友化学(株)と伊藤忠商事(株)です。2017年実績、約129億円の年商で、毎年右肩上がりで売り上げを伸ばしています。
資材小売店「農家の店しんしん」を直営17店舗、フランチャイズ23店舗で全国展開し、小売りのほか、インターネットによる通信販売、卸売事業も行っています。また資材販売のほか、栽培技術支援、農業経営の改善支援、新規就農支援、農産物販路開拓など、幅広い農業支援事業を展開しています。
ネット販売は常時1万5000点の商品を扱い、大規模農業生産者から家庭菜園まで、都市から中山間地、離島までさまざまなニーズに応えることができます。この業界で、ネットによる「一物一価」は難しいと言われていましたが、軌道に乗せました。現在、全国40店舗を起点に約13万人の会員がいます。
経営改善支援では認定農業者や担い手支援の農業塾を運営しています。茨城県東部を中心に地方自治体などと連携し、毎回50人くらいが参加しています。
(写真)木村泰行・アイアグリ(株)代表取締役社長
◆ ◇
今回のセミナーのテーマであるJA水戸との共同事業は、JA側からオファーがあり、アイアグリの「農家のため」の経営理念に一致することから受諾し、2017年9月「JA水戸・農家の店しんしん内原店」としてスタートしました。
JA系統との店舗共同運営は初めてですが、めざすは「JA系統・商系の枠を越え、農家のあらゆるニーズに応える新・農業資材店」です。
商品数は約2万点あり、JA系統商品とアイアグリの商品を兼ね備えた豊富な品揃えが特徴です。年末年始・棚卸日を除き、午前8時30分から午後8時30分まで毎日営業しており、お客様は双方の商品を比較し、「欲しいもの」を「欲しいとき」に「できるだけ安く」購入できます。
さらに専門的な知識を持った、アイアグリ3人、JA水戸1人のスタッフが店頭で対応するほか、土壌診断、施肥設計、栽培技術支援、JGAP導入支援、農業経営塾の運営なども行っています。
共同事業では、(1)生産資材コストの削減、(2)JA水戸、アイアグリのシェアアップの効果が期待されます。取り扱い商品が拡大することで仕入れを強化できます。また農家の実情・需要に合わせた商品提案ができることで生産コストを引き下げることができます。
「JA水戸 農家の店しんしん内原店」はJAの内原支店の敷地内にあり、元JAの資材店を改造したものです。同じ敷地内にJAの農産物直売店があるので、組合員の利用頻度が高まるとともに、一般消費者の利用増も期待できます。JAカードの普及にもつながり、JAの機能を最大限に活かした共同事業だと考えています。
(この欄は木村社長の報告をもとに要旨をまとめたものです)
(写真)豊富な品揃えが特徴のJAとアイアグリの共同店
※このページ「紙上セミナー」は新世紀JA研究会の責任で編集しています。
新世紀JA研究会のこれまでの活動をテーマごとにまとめています。ぜひご覧下さい。
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