JAの活動:ヒント&ピント ~JAの広報誌から~
季節に合ったテーマ選ぶ【ヒント&ピント~JAの広報誌から】2021年3月13日
季節に合わせたテーマということでは、2月は比較的恵まれている。立春ながら1年で最も厳寒期であり、一方では春の農作業の準備が始まる。今回は2月にふさわしいテーマの特集を紹介する。併せて、JA広報誌の新春企画に多い「座談会」の編集(紙面づくり)を取り上げ、評してみる。
大豆の風味生かす
JA新みやぎの「わ・わ・わ」(宮城県)
厳寒期の2月にふさわしいテーマである。JA管内の岩出山地域を代表する冬の加工品「岩出山凍(こお)り豆腐」。高野豆腐、しみ豆腐ともいわれ、保存食として、また冬のタンパク源として親しまれてきた。岩出山では約180年の歴史があり、地理的表示(GI)登録の大豆の「ミヤギシロメ」を使う。
膨張剤は使わず、にがりのみの製造で二度凍らせる同地区独特の作り方で、ダイズの風味が生き、色が白くキメが整っている。広報誌では数少なくなった伝統の製法を守る生産者の一人を表紙に登場させ、中面で凍り豆腐の栄養、食べ方など、ていねいな説明を加えている。
伝わるダイズへの思い
JAめぐみの「めぐみの」(岐阜県)
節分に合わせた特集で「大豆のお話」。大豆にまつわる話の他、家庭でできる手づくりみそを紹介している。同JA管内の大豆栽培は約1700㌶。「フクユタカ」、「里のほほえみ」のほか、管内可児市特産の「中鉄砲」がある。特に「中鉄砲」は豆の味が濃く、黄な粉にすると香りが高いことから、これまで種を絶やさず守られてきた。
広報誌では「中鉄砲」を栽培する農事組合法人を表紙の写真で紹介し、ダイズの歴史、栄養価、「中鉄砲」の加工品を説明。また各工程の写真入りの「おうちで手作りみそを作ろう」のページは、YouTubeチャンネルでも見ることができる。ダイズに対する広報担当者の思いが伝わる。
座談会・対談の紙面づくり
言いたいことを見出しに
JA東京スマイル「ほほえみ」(東京都)
昨年6月に発足した新体制による組合長、副組合長、専務のJAトップ新三役の「対談」だ。タイトルは「未来へつなぐ都市農業とJA」(前編)」。「後編は春号」とあり、2回にわたる力作で、新体制後初の対談で、広報担当者の意気込みが感じられる。
写真の配置もよく、紙面全体のレイアウトもまずますだが、見出しがなく、本文を読まないと、「言いたいこと」が分からない。各自の発言に1本くらい見出しが欲しい。また文章に段落がないが、少なくとも10行に1回くらい区切った方が読み易い。
女子高生登場でイメチェン
JAいずみの「JA IZUMINO」(大阪府)
女子高校生と郷土料理研究家、JA組合長の組み合わせの新春対談。メインタイトル「地産地消、地域活性化・食育に貢献」とあり、企画の主旨が分かりやすくてよい。とかく堅ぐるしくなりがちな広報誌に高校生を登場させたのは好感がもてる。
本文の中で、見出しの代わりになっている「質問」は目立たなくてよい。代わりに発言者の言いたいことを「中見出し」として、目立つようにすると紙面が締まる。各発言者の「以下、敬称略」は、リード文の末尾で、まとめて断った方がすっきりする。
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