JAの活動:今さら聞けない営農情報
有機農業とは 3【今さら聞けない営農情報】第122回2021年10月23日
前回より、令和3年5月12日に決定された「みどりの食料システム戦略」のうち、有機農業については、もう一段掘り下げる必要があると考えて「有機農業とは何か」をひも解いています。そのうち、前回までに国の定義と有機JAS規格の1~2条を紹介しましたので、今回は第3条「用語の定義」と第4条「有機農産物の生産方法」です。
第3条は、有機JAS規格で使用される基本的な用語についての定義が、下表のとおりなされています(表内は原文のまま)。
表の内容をイメージしやすくするために、若干補足してみます。
まず、この規格でいうところの「有機農産物」とは、次の第4条で細かく指定する基準を全て満たしているものをいうと定義されています。
次に「使用禁止資材」ですが、(別表1)使ってもよい肥料や土壌改良資材が定められており、表に掲載されていない化学肥料など人工的に製造された肥料や土壌改良資材は使ってはいけないとなっています。同様に、(別表2)使ってもよい病害虫雑草防除に使用できる資材が定められており、表に掲載されていない農薬等は使うことはできません。また、土壌や植物、きのこ類に施用できるものは、「天然物質または化学的処理を行っていない天然物質に由来するもの」のみとなっています。これら有機農産物の生産に使用してもよい資材等については、次の第4条「有機農産物の生産の方法についての基準」に合わせて解説します。
なお、第4条については、事項と基準が多いため、複数回にわたり紐解きます。
第4条の第一弾は、「ほ場」です。有機JAS規格を満たす「ほ場」とは、ほ場の周辺から第3条で示した使用禁止資材が飛来したり、流入しないように、遮蔽物の設置や十分な間隔(一般に2m以上)を置くといった必要な措置を講じられているものを指します。
加えて、栽培する作物が多年生であれば3年以上、多年生以外であれば2年以上、開拓地や他の用途地で新たに農産物の生産を開始した場合は、播種または植付けの1年以上の期間この基準に示された基準を満たしていなければなりません。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(161)-食料・農業・農村基本計画(3)-2025年9月27日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(78)【防除学習帖】第317回2025年9月27日
-
農薬の正しい使い方(51)【今さら聞けない営農情報】第317回2025年9月27日
-
【特殊報】タケ類にシナチクノメイガ 府内で初めて確認 大阪府2025年9月26日
-
【特殊報】タケ類にキモンホソバノメイガ 府内で初めて確認 大阪府2025年9月26日
-
乾田直は栽培に対応したサービス・技術開発を加速 環境対策やデジタル領域で BASFジャパン2025年9月26日
-
石破総理「世界のおにぎり屋を10倍に」日本産食材をニューヨークでアピール 農水省2025年9月26日
-
【全中教育部・オンラインJAアカデミー】高齢者支援から広がる地域課題の解決ビジネス ヤマト運輸「ネコサポ」に学ぶ2025年9月26日
-
(454)名前と番号【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月26日
-
「岡山県産マスカット・オブ・アレキサンドリア」原料のフレグランス FERNANDA JAPANが販売開始 小川香料、JA全農おかやま、農林中金岡山支店2025年9月26日
-
不二家と共同開発 山梨県産すもも使用「ニッポンエールパレッティエ」新発売 JA全農2025年9月26日
-
岩手県産純情りんご「紅いわてフェア」26日から開催 JA全農2025年9月26日
-
「WTTスマッシュ中国」開幕 卓球日本代表選手を「ニッポンの食」でサポート JA全農2025年9月26日
-
「JA共済マルシェ」を開催 全国の農産物・加工品を販売 防災特設ブースも設置 JA共済連2025年9月26日
-
茨城県水戸市、静岡県浜松市における蓄電所事業へ参画 JA三井リース2025年9月26日
-
吉野梨「新高」台湾へ JAやつしろ2025年9月26日
-
企業型確定拠出年金の全国普及へ 岡三証券グループと合弁会社設立 農林中金2025年9月26日
-
協同組合の存在価値を考える 日本協同組合学会の杉本貴志会長が講演 日本共済協会2025年9月26日
-
農業の従業員給与「上昇」6割超 稲作、酪農で増加 日本公庫調査2025年9月26日
-
アジアイネとアフリカイネの雑種障壁を克服 稔性雑種の育成手法を確立 国際農研2025年9月26日