JAの活動:今さら聞けない営農情報
有機農業とは55【今さら聞けない営農情報】第174回2022年11月5日
現在、バイオスティミュラント(以下BS)にはBSにどんな製品があるか具体的にご紹介しています。今回は、⑥その他(動植物由来機能性成分、微生物代謝物、微生物活性化資材など)です。
まず、動植物由来機能性成分です。これは、動物や植物の中にある、作物の生育や品質に有益な成分のことで、これらを原材料から抽出して使用します。例えば、人間にとっては血液をさらさらにする効果があるというオレイン酸は、獣脂派生物やトウモロコシなどに多く含まれており、害虫の気門封鎖剤としての活用や、微生物の有益な栄養源となって微生物層を豊かにして作物の生育や品質向上に役立つ効果が知られています。
農業用の製品では、オレイン酸やビタミンDといった動植物原料からの抽出液を主成分とするものが多く、おもに葉面散布用肥料や気門封鎖剤などの形で使用されています。
次に微生物代謝物です。微生物は、作物体上や土壌中の有機物などを栄養源として増殖し、酵素の働きなどを加えてタンパク質など生命活動に必要な物質をつくり出しています。そういった生命活動つまり代謝を行う際に出てくる物質を代謝物といいます。この代謝物は、それをつくる微生物によって様々なものがあり、それが、作物の病原菌の発育を抑えたり、害虫を中毒にさせて殺したり、作物の生育に有効に働いたりします。これをBS製品として活用していますが、どの微生物を使うかによってBS製品の性質や機能が大きく異なります。製品を使用する前に、製品情報を入手し、効能や使い方をよく確認したのちに使用するようにして下さい。
最後に微生物活性化資材です。文字通り微生物の活動を活性化する資材です。共通しているのは、微生物の栄養源となる有機物を大量に含み、微生物の増殖を促すことにより、微生物層が改善し、腐食の増加などに役立ちます。これによって、土壌が改善され、作物の生育に最適なホクホクな土壌に改善させる効果があります。多くの製品が、土壌改良材としてく販売されています。
これまでに複数回にわたって主にBS製品の有効成分とその効用にスポットを当てて紹介してきましたが、BS製品は、気候や地域が違えばその効能や成果が異なり、同じ作物に対し、どこの誰が使用しても同じ結果にはならないことが多い資材です。ある農家では良い成果が得られた一方で、他の農家は全く効果が無かったということもあり得る資材です。その原因は、それぞれのほ場ごとに土壌も違えば、土壌微生物層も違い、地力も異なるためです。そのため、自分のほ場にあったBS製品を探索するには、いちいち試してみる必要があることをご理解下さい。
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】ブロッコリーの黒すす病にSDHI剤耐性菌が発生 北海道2025年12月25日 -
【注意報】イチゴにハダニ類 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2025年12月25日 -
家庭での米消費、前年比11.7%減 マイナス幅拡大、「新米不振」裏付け 米穀機構11月調査2025年12月25日 -
米価高騰に対応、「4kgサイズの米袋」定番化 値ごろ感出し販売促進 アサヒパック2025年12月25日 -
協同組合の価値向上へ「鳥取県宣言」力強く2025年12月25日 -
【世界を診る・元外交官 東郷和彦氏】トランプ再来の嵐 自国利益に偏重2025年12月25日 -
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】なぜ日本は食料難の経験を教科書から消したのか?2025年12月25日 -
【Jミルク脱粉在庫対策】基金初発動1.2万トン削減 なお過剰重く2025年12月25日 -
すべての都道府県で前年超え 2024年の県別農業産出額 トップは北海道2025年12月25日 -
【農と杜の独り言】第7回 祭りがつなぐ協同の精神 農と暮らしの集大成 千葉大学客員教授・賀来宏和氏2025年12月25日 -
国連 10年に一度「国際協同組合年」を決議2025年12月25日 -
秋田と山形の3JAが県越え連携協定2025年12月25日 -
日本産の米・米加工品の輸出促進策を議論 「GOHANプロジェクト」で事業者が意見交換 農水省2025年12月25日 -
26年産米の農家手取り「2万5000円めざす」 暴落の予兆に抗い再生産価格を確保 JA越前たけふ2025年12月25日 -
笹の実と竹の実【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第370回2025年12月25日 -
茨城県で鳥インフル 97万羽殺処分へ 国内10例目2025年12月25日 -
ホットミルクと除夜の鐘 築地本願寺でホットミルクお振舞い JA全農2025年12月25日 -
JA共済アプリ・Webマイページに「チャットボット」機能を導入 JA共済連2025年12月25日 -
5県9JAの農産物・加工品を販売 第46回マルシェ開催 JA共済連2025年12月25日 -
短期プライムレートを年2.125%に引き上げ 農林中金2025年12月25日


































