JAの活動:今さら聞けない営農情報
農薬の正しい使い方(3)【今さら聞けない営農情報】第269回2024年10月12日
農薬は安全で豊かな農産物を得るために不可欠な資材でありますが、使用方法を間違えると効果が見込めないばかりか、農産物や環境へ影響を与えてしまう可能性があります。このため、農薬の持つ能力を最大限発揮させるためには、正しい散布時期に、正しい用法・用量で使用することなど「農薬の正しい使い方」への理解が不可欠です。
「いまさら」では、現在「農薬の正しい使い方」を知る第一歩である農薬の製剤に関する基礎知識をご紹介しています。
前回は、製剤の必要性と種類をご紹介しましたので、今回から、剤型ごとにその特徴と正しい使用方法や使用上の注意事項を紹介していきたいと思います。
まず最初に水に希釈して散布する製剤の種類と特徴をご紹介していきます。
1.乳剤(略記号:EC)
この製剤は、有効成分が油のみに溶ける場合によく使われるもので、製剤の性状は、琥珀色で透明なものが多いです。有機溶剤に有効成分を溶かすだけなので、製剤コストが安く、多くの農薬製品で使用されています。乳剤は水に希釈すると一気に白濁して希釈水中に均等に分散されるため、希釈水をつくるのが楽な製剤で、希釈液を動力噴霧器などで霧状に散布します。ただし、有効成分を溶かすための製剤の副成分に有機溶媒を使用しているため臭気がきつく、臭気が苦手な場合や住宅地が隣接している圃場で使用すると苦情が発生する場合があるので注意が必要です。
2.エマルジョン剤(略記号:EW)
この製剤は、水に溶けにくい有効成分を少量の有機溶媒で溶かし、水溶性ポリマーなどで被覆したものを有効成分として、水中に乳化分散させたものをいいます。 略記のEWは、Emulsion in Water といい、水の中に分散されているので、乳剤のような臭気は少なく、引火性はないので、危険物にもならないという利点があります。ただし、乳剤と違って特殊加工が必要なので、製剤の価格は手間がかかる分だけ高くなる傾向にあるようです。これも乳剤と同様に水に希釈して霧状に散布します。
3.マイクロエマルジョン(略記号:ME)
この製剤は、エマルジョンと同様に有効成分を有機溶剤に溶かしたものですが、EWに比べて有機溶剤、非常に小さな乳化粒子にしたものです。これによって、製剤の外観は透明で、希釈液も透明になるのが特徴です。希釈液が透明なので散布後の汚れが非常に少ないというのが利点ですが、希釈液を作っても農薬が入っているのかどうかが判別しにくいことが難点です。この製剤も、乳剤と違って特殊加工が必要なので、製剤の価格は手間がかかる分だけ高くなる傾向にあます。また、これも乳剤と同様に水に希釈して霧状に散布します。
(つづく)
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