JAの活動:今さら聞けない営農情報
農薬の正しい使い方(42)【今さら聞けない営農情報】第308回2025年7月26日
「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るため、農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しようと考えています。農薬の防除効果は、有効成分をいずれかの方法で作物に付着または吸着させることができてはじめて発揮されますので、高い効果を発揮させるには、有効成分をいかに効率よく作物に付着させるかが鍵となります。前回、濃厚少量散布の概要を紹介しました。その際の濃厚少量散布は省力的で効率的に散布するのに適した散布法ですが、それを実現するのに作物へ効率よく付着させるための散布機械が必要となります。今回は、主要な濃厚少量散布機械をご紹介いたします。本来であれば、水希釈散布機械の欄でご紹介した方がよかったのですが、濃厚少量散布という特殊性から分けてご紹介しています。
1.無人ヘリ(産業用無人ヘリコプター)
無人の無線操縦ヘリコプターで、通称ラジヘリと呼ばれています。正式な名称は、産業用無人ヘリコプターと呼ばれ、濃厚少量(8倍液~16倍液を800㎖/10a程度)散布や粒剤の散布が行われます。水稲での使用が主ですが、防風林などの松くい虫防除等でも使用されています。
かつては空中散布といえば、有人ヘリコプターによる散布が主体でしたが、環境問題などで有人ヘリによる散布ができない地域が多くなる中、現在では無人ヘリによる空中散布が主役になっています。
機体の値段が高く(1000万円超)、操縦技術(免許)が必要なため、個人で所有して散布に使用する例は大規模経営農業法人などに限られており、通常は防除業者による委託防除が主流となっています。
2.ドローン
近年、注目されているドローンは、無人ヘリに比べて安価で購入でき、騒音が少なく、狭いほ場でも機動力よく散布できることから、自身で購入して農薬散布に取り組む農家も増えています。特に、事業安定化補助金を活用した導入が各地で増加しました。ドローンには前述のようなメリットがある一方で、飛行継続可能時間が長くて15分程度(ハイブリットドローンを除く)と短く、薬液も最大10ℓ程度と少ないため、濃厚少量散布登録のある農薬を1飛行で1ha程度が最大の散布面積となります。 実際には、ほ場間の移動や離着陸などでバッテリーを消費するため、1飛行で散布可能な面積はもっと少なくなります。このため、散布対象面積に応じて予備バッテリーを用意したり、屋外で急速充電できるよう発電機などの準備をする必要があります。
ドローンで使用する農薬は、農薬の使用方法に「散布」あるいは「無人ヘリ散布」と記載のあるものが使用できますが、使用する農薬の選定には注意が必要です。その注意事項は次回紹介します。
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