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JAの活動:農協時論

【農協時論】小さな区画整理事業 生産緑地保全と相続対策の要に JA東京スマイル 眞利子伊知郎組合長2025年9月3日

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「農協時論」は新たな社会と日本農業を切り拓いていくため「いま何を考えなければならいのか」を、生産現場で働く方々や農協のトップの皆様に胸の内に滾る熱い想いを書いてもらっている。今回は、JA東京スマイルの眞利子伊知郎組合長に寄稿してもらった。

農協時論 眞利子伊知郎組合長.jpgJA東京スマイル組合長 眞利子伊知郎氏JA東京スマイル組合長 眞利子伊知郎氏

全国のJAが取り組んでいる事業の一つに、組合員の相続がある。特に都市部のJAにとっての資産管理事業は、近年の組合員との相談業務への移行などもあり、JA事業の中でも主要な事業の一つとなっている。わがJAでも、資産管理研究会に所属している組合員は、組合員組織の中で最も多く、資産管理への関心の高さがうかがわれる。

相続税対策として、遺言信託の取り組みはもちろん、賃貸住宅建設や事業用資産の取得などが主であり、いかに所有財産を減らすことなく、相続を乗り切るかが対策の要となっている。しかしいずれにしても、農地を残すことは主眼とはなっていない。そこで、他の県でも取り組まれている事例でもあるが、東京都の生産緑地の保全と相続対策を目的とした、"小さな区画整理事業"について紹介する。

多くの組合員は、相続税を支払うために、売却しやすい農地を処分することが多い。平成4(1992)年の生産緑地制度導入時には、市街化区域内農地の約4割が宅地化農地であり、相続税支払いのために売却が進められていた。現在、宅地化農地の割合は2割弱になってしまい、生産緑地を売却する事例が増えてきた。生産緑地を売却した場合、その後の営農環境の悪化や、インフラの未整備による資産価値の下落も予想される。そこで、相続発生前に"小さな区画整理事業"を行い、保全する農地と相続対策用地の整備を行うことで、相続時の選択肢が広がることになる。つまり、土地区画整理手法を活用し、相続対策のための土地と良好な営農環境を維持できる土地の入れ替えが可能となる。

小さな区画整理事業では、生産緑地や相続税納税猶予農地も含め、区画整理事業を行うことが可能であり、整理事業完了後も生産緑地や相続税納税猶予の制度適用も継続できる。また、換地手法による土地を動かし、効率的な道路配置や土地の成型・集約などの再配置が可能となるため、土地の有効活用やインフラの整備も行われ、資産価値の向上にもつながる。さらに、公共的な事業となるため、助成金が交付される場合もある。そして、事業費を借り入れた場合には、経費として相続財産の対象になるなど、メリットは大きい。

ただ、一軒の農家による事業ならばよいが、おおむね3000平方㍍規模が必要になり、地権者が多い場合は、意思統一の作業に時間を要することもあるが、公的な区画整理事業よりも事業期間は短くなる。そして、すでに区画整理事業が行われている地区は対象外であるなどのいくつかの注意する事項もある。

このように、相続発生前の準備として、営農を維持するための対策としては、有効な手法だと考える。(小さな区画整理事業については、一社・東京都農住都市支援センターが、相談・調査・支援を担っている)

都市農業振興基本法の成立により、都市内の農業はあるべきものとなったが、相続による農地の減少が続いていることも現状である。都市農地貸借円滑化法の制定により、生産緑地の継続は以前よりも容易になったのだが、それ以前の問題として、相続税については見直しが必要だ。

JAは、農業がなければ存在しえない組織だ。また、農業や農地の持つ重要性を一番認識している組織でもある。だから、組合員を守るためにも、営農だけでなく資産管理や金融共済など総合的に事業を進めてゆかねばならない。そして、組合員のファーストコンタクトをJAが受け持ち、組合員のコンサルタントとなるべくこれからも努力を重ねてゆく。

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