JAの活動 特集詳細

特集:JA全国機関中核人材育成研修会

2019.12.02 
【JA全国機関中核人材育成研修会・2】JAの価値高める新事業提案(上)冷凍野菜に将来性一覧へ

 研修会の第1セッション、第2セッションを終えた参加者は、その結果を第3セッションで討議し、第4セッションで2つの発表したが、それを上・下に分けて掲載する。上は「冷凍野菜の産地開発による新たなJAグループの価値創造」。

冷凍野菜の産地開発による新たなJAグループの価値創造
-農家の所得安定と消費者へのJAブランドイメージの浸透をめざして-

冷凍野菜産地開発のイメージ

冷凍野菜産地開発のイメージ


 冷凍野菜には生鮮にはない特質があり、将来性も十分だが、現在、国産は需要量の1割にも及ばないのが実情である。そこで国産冷凍野菜の産地づくりを提案する。
 冷凍野菜の消費は、(1)生鮮品と違ってパッケージに情報を掲載できるので消費者が認知し易い、(2)冷凍で長期保存できるため周年安定供給が可能、(3)加工業務用のため生産の機械化、大規模化・省力化が可能、(4)加工度が低いので商品開発のノウハウ不足を埋められる、などの特徴がある。
 このため、この10年で冷凍野菜の消費は45%増えており、冷凍野菜の市場は有望である。一般に野菜の市場価格は変動が大きいが、契約栽培による冷凍野菜は、年間を通じた固定価格によって安定した所得が確保できる。さらに冷凍野菜は、急速冷凍のため栄養価が生鮮と変わらないのみならず、旬の時期に収穫するため栄養価が高い、ブランチング(湯通し)済みのためすぐに使える、小売り価格が安定している、下処理済みなので生ごみが少ないなどのメリットがある。
 このように機械化できる品目で対象とする農地は、比較的まとまった耕作放棄地、あるいは近い将来、耕作放棄される可能性があるところを優先する。品目は可能な限り、機械化体系ができているものを選ぶ。その選択および生産量は、需要・相場に応じて全農が決める。
 全農は契約に基づき、再生産の可能な価格で全量を買い取り、生産者の安定的な所得確保に寄与する。このほか全農は、生産支援として省力化に資する機械や栽培ノウハウを無料で全面的に提供する。機械はレンタルも可能で、イニシャルランニングコスト(初期費用)を低減し、生産者の参入ハードルを下げる。
 それでも自前で対応できない生産者に対しては、種まき、管理、収穫、集荷などを有償で受託する。併せて各ハブ加工場の地域内で必要な労働力が通年で均一に確保できる作付け体系を確立する。

toku1912020702.jpg


◆ハブ間で品物を融通

 さらに冷凍野菜の安定供給のため、全国各地にブロックごとの拠点となるハブ加工場を設置し、それを中心に産地を構築する。野菜生産には地域によって豊凶があるが、全国的には安定した量を確保できるようにする。
 またブロック間で作物あるいは冷凍野菜の融通を行う。それによって安定価格での買い取り、定時定量での供給ができ、生産者、実需者のメリットにつながる。ハブによってずれる作期を生かし、集出荷のための冷凍・冷蔵トラックなどはハブ間で共有することで、輸送コストの低減が可能になる。
 このように冷凍野菜は高齢化社会・共働き世帯の増加によって、調理の負担を減らしたいというニーズや、核家族化・独身者の増加などで、野菜を使い切れず、駄目にするという悩みに応えることができる。また食の安全性重視から、国産へのこだわりが強まっている。
 さらに、生鮮野菜と違い、パッケージに情報(ブランド等)を掲載できることから、JAのブランド浸透にも寄与できる。野菜は生鮮と冷凍を使い分けるという意識を消費者に植え付けることが必要である。


【特集:JA全国機関中核人材育成研修会の記事】
【3】JAの価値高める新事業提案(下)協同事業会社の設立 (2019.12.02 )
【2】JAの価値高める新事業提案(上)冷凍野菜に将来性 (2019.12.02 )
【1】JAの将来担う職員養成へ(2019.12.02 )

一覧はこちら

このページの先頭へ

このページの先頭へ