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特集:JA全国機関中核人材育成研修会

2019.12.02 
【JA全国機関中核人材育成研修会・3】JAの価値高める新事業提案(下)協同事業会社の設立一覧へ

 研修会の第1セッション、第2セッションを終えた参加者は、その結果を第3セッションで討議し、第4セッションで2つの発表したが、それを上・下に分けて掲載する。下は「JA全国連と生協による協同事業会社の設立」。

「地域」を共通マインドになくてはならない存在めざす
-JA全国連と生協による協同事業会社の設立-

協同事業会社設立のイメージ協同事業会社設立のイメージ

 JAと生協が連携することで、協同店舗の出店、消費市場の調査、商品開発などの効率的な展開が可能になり、地域での協同組合の存在感が高まることで、今日JAが抱える准組合員問題の解決につながる。そのためにJA全国連と生協による協同事業会社の設立を提案する。

◆准組合員の認知を

 農協改革集中推進期間が終了したが、准組合のJA事業利用規制の判断は2021年まで持ち越された。利用規制は不要だということについて、准組合員を含めて組合員に認識してもらう必要がある。そのためには同じ協同組合であり、JAと親和性の高い生協と連携し、地域振興の取り組みを強化し、地域での認知度を高めることが有効である。
 特にJAの地域課題に対する強みは、農業振興を通じた安心・安全な食品の供給と地域活動の維持であり、この分野での取り組みが求められる。現在、41都道府県で連携している協同組合組織は森林組合、ろうきん、信金・信組などを含め471団体あり、全体の6割近くを占める。
 連携の内容は講演や研修会が圧倒的に多く、商品開発や宅配など具体的な事業連携にまで発展している例は少ない。ケーススタディに挙げた神奈川県のJAはだのは、パルシステム神奈川と「事業連携を通じた地域振興・地域貢献に関する包括協定」を結び、生協組合員用圃(ほ)場の設置、地場産の農産物を使った料理教室の開催、JAはだの女性部の共同購入を生協と協業、双方の商品をJA・生協の店舗で扱うなど事業連携を実現している。このようにJAの活動に生協組合員が参加する仕組みができており、共通組合員は300人以上に及ぶ。
 また全農みやぎではJAと生協の協同店舗を展開して客単価を3割アップさせた。共同ブランドの開発も行っている。現在、協同店舗は二つで、生協出資の㈱コープストアが運営する。従業員は全員が出向で、収益は両者で折半。消費者あるいは生産者との繋がりを強めることで事業を強化し、組合員から選ばれる組織づくりを実現している。

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◆農業生産の会社も

 協同事業会社は、「同じ地域」というマインドで安全・安心な農産物・加工品の供給・購入、各種イベントへの参加などの活動だけでなく、共通ブランドの開発、協同店舗の開設、配達、環境対策まで行うことができる。遊休農地の解消にもなっている。
 やはりケーススタディとして挙げた、福井県民生協のふくいレインボーファームは農産物の販売・購入だけでなく、農業生産にまで拡大した協同事業会社である。JA福井県経済連とJA越前たけふ、JA敦賀美方、JA花咲ふくいと連携し、農作物の生産から加工食品の製造・販売まで手掛ける。

◆まず協同店舗出店を

 設立の背景には、高齢化による継承者の減少と耕作放棄地の増加、県内産直の停滞に対し、安全・安心な地場食品を食べたいという、消費者としての組合員の願いがある。また協同事業会社は、地域にとって地域ブランド発掘を通じた経済振興、購買店舗の維持、買い物難民への対応にも繋がり、地域コミュニティの維持につながる。全国段階で協同事業会社を設立し、まず協同店舗の出店を検討していただきたい。
 共同店舗の利用者が増えることで、JAと生協の組合員の重なりが拡大し、相互の交流の機会が増え、刺激し合うことで組合員意識も向上する。特に准組合員の意識付けに効果が期待される。


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