JAの活動:全国集落営農サミット
【全国集落営農サミット】〈解題〉次世代対策 新たな視点で2022年2月10日
「次世代につなぐ集落営農の実践」をテーマにした第6回全国集落営農サミットでは、日本協同組合連携機構(JCA)基礎研究部部長の小林元氏が解題を行い、集落営農組織を持続させるため、地域内外の幅広い人材に着目する必要性などを提起した。
集落営農のジレンマ
2007(平成19)年の品目横断的経営安定対策実施への対応としてつくられた集落営農組織は分岐点を迎えている。任意組織の解散、廃止が増えるとともに、法人組織の解散も少しずつ現れている。
共通する課題はいわゆる「集落営農のジレンマ」である。集落営農のジレンマとは、農地をみんなで守るために集落営農を組織したのにも関わらず、集落営農を組織化したことで組合員の農業離れが進むという矛盾である。集落営農は、リーダー・オペレーター(OP)の世代交代が進まないという課題と、畦草刈り・水管理のみの組合員でも次世代に承継されたときに関わり・関心が減り、土地持ち非農家化・不在地主化が進むという組合員の農業離れという課題を抱えている。
これらの課題はつながっており、リーダーやOPが頑張るから他の組合員の関わりが減り、関わる人が減るから次のリーダーやOPが生まれないという負の連鎖に陥っている。
これまでも集落営農の次世代対策に取り組んできた様々な事例がある。例えば、定年制の導入、リーダー養成研修、GAP取得・マニュアルづくりの取り組み、地域おこし協力隊など外から来た若者たちの参加の促進、広域組織化でより幅広い範囲で次の世代を育てる取り組みなどがある。
今回のサミットでの事例は、▽若い農業者が経営の視点で集落営農組織を運営する取り組み、▽非農家など地域の多様な人材が関わることで後継者を育成する取り組み、▽JA職員が集落組織に入り込み若者や女性など多様な人材を掘り起こす取り組みが発表される。
女性、ワカモノ、ヨソモノ、バカモノ大切に
これらの新しい取り組みを集落営農の次世代対策の視点としてまとめると▽若い農業経営者の視点を集落営農組織にどう盛り込むか、▽地域の「人財」を広く捉え、女性、ワカモノ、ヨソモノ、バカモノを集落営農組織にどのように取り込むか、▽次につなぐための仕掛けづくり・参加しやすい場づくりで次世代をどう掘り起こすかとなる。
待っているだけでは次世代は育たない。次世代を発掘し、育てる仕組みが地域の未来をつくる。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(149)-改正食料・農業・農村基本法(35)-2025年7月5日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(66)【防除学習帖】第305回2025年7月5日
-
農薬の正しい使い方(39)【今さら聞けない営農情報】第305回2025年7月5日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 石川県2025年7月4日
-
(442)エーカレッジ(作付面積)から見る変化【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月4日
-
【JA人事】JAながさき県央(長崎県)里山耕治組合長を再任(6月27日)2025年7月4日
-
人的資本を人事制度で具体化する 「令和7年度 人事制度改善セミナー」開催 JA全中2025年7月4日
-
「有機薄膜太陽電池」で発電した電力 ブドウの着色に活用 実証実験開始 山梨県2025年7月4日
-
株主優待制度を新設 農業総研2025年7月4日
-
夏の訪れ告げる初競りの早生桃 福島県産「はつひめ」販売 青木フルーツ2025年7月4日
-
ニッテン「スズラン印」ロゴマークをリニューアル 日本甜菜製糖2025年7月4日
-
「国際協同組合年」認知度調査「生協に参加したい」が7割 パルシステム2025年7月4日
-
洋菓子のコロンバン主催「全国いちご選手権」あまりんが4連覇達成2025年7月4日
-
野菜わなげや野菜つり 遊んで学ぶ「おいしいこども縁日」道の駅とよはしで開催2025年7月4日
-
北海道初進出「北海道伊達生産センター」完成 村上農園2025年7月4日
-
震災乗り越え健康な親鶏を飼育 宮城のたまご生産を利用者が監査 パルシステム東京2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「農政技術(森林)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「獣医師(家畜保健衛生分野)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
信州の味が集結 JA全農長野×ファミマ共同開発商品 長野県知事に紹介2025年7月4日
-
障害者のやりがい・働きがい・生きがい「ガチャタマ」で応援 パルシステム埼玉2025年7月4日