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スガ人脈を読み解く――目立つ構造改革派 乏しい「言葉力」補えるのか【検証:菅政権2】2020年11月6日

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農政ジャーナリスト・伊本克宜

菅首相を支える周辺のブレーン、いわゆる「スガ人脈」をどう見るかは今後の政権の動向とも直結する。権力の中心を心臓に例えるなら、この「脈」は動脈と静脈の二つに分かれる。衆院予算委員会で話題のアニメ「鬼滅の刃」の「全集中の呼吸」で応じるとした菅だが、内実が伴っていない。いずれにしても、官邸を取り巻く「人脈」がこの政権を左右するはずだ。(敬称略)

発言する菅総理発言する菅総理(首相官邸HPより)

「一寸先は闇」を泳ぐ

30年以上にわたり、ジャーナリストとして政治家を見てきたが、基本的には二つ、「情と理」「明と暗」に分かれる。菅は農協改革でも見て取れるように「情」よりも「理」を優先する。ある理屈を付け中央突破を図る。今、政治記者らは口をそろえ「前任の安倍は明るかった。だが菅は暗い」と言う。暗い菅はどう世の中を明るくするのか。そこで、周辺に集まる人々の知恵をどう生かすのかが鍵を握る。

「令和おじさん」菅首相誕生の立役者は、縦横無尽に政治街道を走る二階俊博自民党幹事長だろう。衆院和歌山3区で当選12回を重ねる老練な政治家は、「一寸先は闇」の中のわずかな光明を見逃さない。全ては潮の目をどう見て、動くのか。ポイントは突然の安倍辞意表明が8月30日、週末の金曜日だったことだ。政治家らは通常、金曜の夕方は地元に帰る。この手薄な時の政局に大物政治家らがどう動き対応したのか。勝負は翌土曜日から日曜日に付く。ポスト安倍に菅を担いだ二階が一挙に流れを作る。次期首相有力候補の石破茂は、「二階突風」に不意を突かれ、岸田文雄は政治講演で新潟入りしていた。いったいこの二人は何をしていたのか。週明けには、細田派、麻生派、竹下派が菅支持を表明するが、先鞭を付けた二階の政治的な優位は不動となり、その後の政治は菅-二階ラインを中心に回る。両者に信頼の厚い森山裕自民党国対委員長も加わり、一挙に菅首相誕生となる。森山は衆院鹿児島4区選出で事実上、農政運営を取り仕切る大物農林幹部だ。質問すると立ち止まり耳を傾ける実直な性格で人望が厚い。

一方で、石破の座右の銘に「末ついに海となるべき山水も 暫し木の葉の下くぐるなり」。雌伏の時を説いた田中角栄が好んで揮毫した言葉だ。石破、二階とも角栄に学んできたが、「明暗」分かれた。このままだと石破は「海」となれそうにない。

「政商学者」ら規制改革論者

冒頭で触れた心臓は、血液を送り出す動脈と、戻ってくる静脈の循環で命を保つ。政治家は動脈を担う。血管が詰まり破裂する「動脈硬化」は政権崩壊を意味する。

では戻ってきて心臓の鼓動を支える静脈は何か。やはり学者や経済界など具体的な政策を提案する知恵袋、ブレーンの存在だろう。目立つのは構造改革論者だ。中でも竹中平蔵は、米国べったりの経済学者で政治と商売が表裏一体となった「政商学者」とも称される。菅と昵懇の仲だ。

小泉政権時に竹中総務大臣の下で菅副大臣となり関係を深めた。菅政権で新設した「成長戦略会議」の民間有識者委員を務める。竹中は「自己責任」「自助努力」を強く求める。菅が唱える「自助、共助、公助」とも共鳴する。この連載企画「検証 菅政権」1でも指摘したように「自助、共助、公助」は逆さまの議論だと重ねて強調したい。

JA全農が標的とされ、JA全中を農協法から外す農協改革を安倍政権時に政府側から支援したIT企業社長・金丸恭文も菅政権に引き続き関わる。農協改革論議の当時、金丸に長時間インタビューしたことがある。同氏は「私は鹿児島の地方出身。地域振興のための改革だ。農協はこのままでいいのか」と農協組織の抜本改革を繰り返した。安倍、菅氏との関係を聞くと「携帯電話でいつでも話せる」と応じた。菅に極めて近い存在と言っていい。

マスコミ懐柔か否か

政治記者たちに聞いても驚きを隠せない人事に、柿崎明二・元共同通信論説副委員長の官邸入りがある。菅に請われて応じ首相補佐官を務めるが、定まったテーマで動いているわけではない。柿崎は秋田出身で菅と同郷。衆院初当選からの知り合いで、菅の相談相手の位置付けだ。菅がシンパシーを感じても不思議ではない。

ただ、これがマスコミへの懐柔策では困る。「忖度報道」が横行すれば報道の信頼性はさらに低下しかねない。政権への転身に批判もある。地元紙「秋田魁新報」10月9日付で柿崎は心の内をわりと率直に述べた。この中で「これまで政権批判をしてきた立場なので批判があるのは自覚している」「自助、共助、公助のうち共助の部分で自分なりに結果を出したい」と明かした。同氏は豪雪地帯の秋田・横手出身。言論界に深く身を置いた柿崎なら、同郷で101歳まで反権力を貫いた孤高のジャーナリストむの・たけじの幾多の箴言を知らないはずがない。むのは安倍政権を論難しながら「絶望の中にこそ希望はある」と「明日」を信じ続けた。官邸の中で柿崎は言論人だった矜持をどう示すのかが問われる。

「落日の経産省」と「三人衆」

安倍官邸は「経産省官邸」とも言われた。中心人物は、安倍政権時に首相補佐官兼政策秘書官の今井尚哉。「官邸官僚」という特権を使い権勢を振るった。環太平洋連携協定(TPP)をはじめ、次々と市場開放を決断したのも経産省主導だったからだ。ところが菅が首相になった途端、「経産省の落日」となりパワーバランスは切り替わる。

今、菅政権で官邸を支える中心は「三人衆」とされる。まずは杉田和博官房副長官、そして北村滋国家安全保障局長。さらに菅の懐刀として多くの政策を担ってきた首相補佐官の和泉洋人。先の二人は警察官僚出身で公安・外事の経験が長い。平たく言えば対スパイ、防諜など危機管理の専門家だ。これまでも官房長官時代の菅に様々な機密情報をもたらし、政権の延命に寄与した。杉田は内閣人事局長も兼ね、官僚人事も束ねてきた重要人物だ。

冒頭、菅は「鬼滅の刃」の「全集中の呼吸」に言及したと書いた。「全集中の呼吸」は人食い鬼と対峙する鬼滅隊士必須のもので、厳しい修行の末に得られる。警察官僚ら「三人衆」の知恵を借りながら鬼退治=野党対応するという菅の気構えを示したものとの解釈もできる。それにしても問題なのは日本学術会議の6人任命拒否の論議だ。この間の政権運営に批判的な学者が多く、具体的人選は杉田が主導した。菅は国会で国民には理解しにくい答弁を繰り返している。こんな時こそ、言葉を操ってきた同郷・柿崎の出番かもしれない。

(次回「検証 菅政権」3は「スガ関連本あれこれ」)


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