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「全体で農支える仕組み大切」 課題は食料安保・人口減・DX・環境 中嶋康博基本法検証部会長に聞く2022年12月27日

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食料安全保障の強化が問われ農政大転換が求められる中で、農水省の食料・農業・農村政策審議会の基本法検証部会長を務める中嶋康博東京大学教授が単独インタビューに応じた。急速な人口減少への対応、担い手、労働力確保が最大の課題と指摘。「農業をみんなで支える仕組みが大切」として、多様な担い手確保・育成を強調した。農福連携や半農半Ⅹなど農業振興への多様な取り組みにも期待を込めた。(聞き手・農政ジャーナリスト・伊本克宜)

中嶋康博 基本法検証部会長(東京大学教授)中嶋康博 基本法検証部会長(東京大学教授)

農業労働力確保が最大課題

――ウクライナ問題、食料有事の顕在化、気候危機の中で、食農大転換の時期を迎えています。1999年の現行基本法制定から四半世紀近くになりますが、検証・見直しの問題意識はどうですか。

基本法制定時との大きな変化はいくつかある。まずは急速な人口減少。さらにDX(デジタル・トランスフォーメーション)など情報技術の進展・高度化、そして気候変動も含めた環境問題への対応だ。特に人口減少は、農業の担い手・労働力不足となって農業現場に影響が出かねない。これらの上にウクライナ問題、地政学的な課題が覆いかぶさる構図だ。こうした中で、今後10年、20年といった将来を見据え農業者がある程度の展望を持つことができる農政の方向をどう確立するかが問題となる。

■現行基本法の前段に「新政策」

――農業基本法から代わった現行基本法は、自由化の新たな国際規律の下で、農業の競争力強化を目指しました。

1961年制定の旧基本法は、農業の産業としての発展を目指し主に価格政策で農工間の格差を埋めようとした。現行基本法は、WTO(世界貿易機関)体制下で農業ばかりでなく食料、農村を包括し、食料の安定供給、農業の持続的発展など四つの基本理念を掲げた。
この時点でも人口減少はあったが、今回はさらに課題が加速している。現行基本法制定の前段として、30年前の「新政策」がある。そこでは効率的、安定的な経営体育成、市場原理の一層の導入を掲げた。
現行基本法は、5年ごとに食料・農業・農村基本計画を策定し、基本理念実現へ具体的な施策を進める。私自身は、2015年に食料・農業・農村政策審議会企画部会長として基本計画策定にあたった。その時の基調は農業の成長産業化だったと思う。

■自給率低迷の主因はデフレ

――食料自給率は一向に上がりません。農水官僚は自給率低迷の理由は述べますが、目標未達の反省の弁を一度も聞いたことがありません。この間の農政をどう見ますか。

食料自給率低迷は、農政の側面よりも、平成の30年間のデフレ経済の影響が一番大きい。あらゆるものが値下がりし、価格を抑えられてきた。円高デフレスパイラルに伴う賃金抑制から、生活維持に食品、農産物価格も抑えられた。これでは自給率アップは難しい。最近の麦・大豆増産支援などは少しでも自給率を向上させようとする政策重視の表れだろう。

――食料有事の懸念から肥料、飼料も含め国内でできるだけ生産・製造する議論が強まっています。いわば「食農国産シフト」の動きをどう見ますか。

食料安保は国内の農業生産増大を基本に、輸入、さらには備蓄を含めて対応すべきものだ。確かに肥料も含めた国産化への動きはあるが、今後を見通すにはやはり為替の動向が大きい。

■農業資本投資が圧倒的に不足

――基本法見直しとも絡みますが、今後の農政推進の課題は何ですか。

農業経営に欠かせない土地、労働、資本のうち、労働力の確保をどうするかは人口減少の加速がポイントだ。この間の日本農業の動向を分析すると、資本の部分、投資が圧倒的に足りない。ここをどう修正していくのか。情報技術、DX、スマート農業を組み合わせ、労働力不足を補い生産性を上げていくために、官民挙げた対応で生産現場に投資をどう促していくか。現場目線で投資促進の環境整備が求められる。

――直近の出生数は80万人を割り統計史上最低を記録します。少子高齢化は日本全体の問題ですが、特に農村で加速しています。

先に基本法検証の問題意識を挙げたが、特に人口減少にどう対応するかは最大の課題だろう。基幹的農業従事者は現行基本法制定時の240万人から半減した。農水省資料でも年齢構成は70歳以上がピークとなっており、10年、20年先を見据えると基幹的農業従事者は大幅減少が避けられず、生産基盤の弱体化を懸念している。人口減少は国産農畜産物の需要面でも大きな影響を及ぼす。

■精力的にヒアリング進める

――2022年秋から始まった検証部会は、12月23日の「生産性向上と技術開発」をテーマとした課題整理、ヒアリングで年内は終えました。これまでの論議を振り返ってどうみますか。

月2回程度と精力的な検証部会をこなしてきた。まだヒアリングの段階なので特段の総括はないが、それぞれテーマに沿った有意義な問題提起、事例報告が進んでいる。年明けもテーマ別のヒアリングは続く。

■役所の結論誘導的とは感じていない

――検証部会ごとに、農水省から具体的政策展開、統計数字など膨大な資料が示されています。ただ肝は、末尾の「論点」で、ポイントと論点が数項目に絞られ集約されています。結論誘導的な思惑を指摘する声もあります。事務方から部会長として論議の方向性などで注文はありますか。

資料は、それぞれ意図があって選択され出されていると思うが、要は全体を概観し客観的にどうとらえるかだろう。結論誘導的とは感じていない。

■農福、半農半Xの動きに「光明」

――例えば、11月検証部会の農水省資料「人口減少下の担い手確保」では、基本法見直しの焦点の一つ、担い手問題に関連し認定農業者の効果を特に強調しています。

個人的な意見だが、人口減少が加速する中で多様な手法で多様な人材の就農を促すことが欠かせない。これまでの延長線ではなく、地域農業をみんなで支える仕組みが重要となる。
例えば農福連携の実践例に、農業のあるべき一つの方向を見ている。農福事例の審査委員も務めているが、取り組みは農業が持つインクルーズ、包容による新しい可能性を見いだす。そこには農の優しさと誇りがあり、なおかつ生産性向上にも結び付く新たな可能性が広がっている。
半農半Xも同じ。都会でITなどを習得した人材が農村で農業に関われば、地域農業振興の新たな展望が開かれるかもしれない。多様な担い手となり、新しい血を入れ活性化につながる。さまざまな多様な人が農業に関わり、地域を盛り上げていく仕組みが必要だ。

■「みどり戦略」と絡め環境問題対応

――基本法見直しと絡め、環境対策と農水省「みどりの食料システム戦略」への対応をどうしますか。

環境対策は地球規模の気候変動とも絡み、具体的な対応が避けて通れない。「みどり戦略」もその中で位置づく。化学農薬、肥料削減に加え畜産のメタンガス低減などが課題だが、農業の本来持つ循環システム、バイオマスを有効活用などで問題を一つずつ解決しながら、環境調和に前向きに対応していくことが重要だ。環境対策は基本法見直しの重要テーマの一つ。同戦略はDX、スマート農業、ゲノム編集など先進技術も並行して推進していくものだろう。

■23年は重要な節目の年に

――基本法見直しは検証部会と並行し与党も議論を進めています。11月30日には自民党基本法プロジェクトチームがまとめた提言を提出、それを受け政府は食料安保大綱を策定しました。関東大震災からちょうど100年となる2023年は、農政上でも重要な年となります。法改正に向け23年5月には中間まとめの動きです。どう見ますか。

自民党は食料安保予算確保なども踏まえたことかもしれないが、与党の動きはよく承知していない。ただ、指摘のように基本法直し具体化へ重要な節目の年となる。

――基本法見直し、食料安保構築へ野村哲郎農相、自民党は森山裕元農相(選対委員長)が中心となり、政府・与党は「食料安保シフト」ともいえる強力布陣で臨んでいます。

検証部会でも野村農相は熱心に議論に耳を傾けており、熱意を感じる。

■21、22条担い手規定の課題

――基本法で大規模な担い手などを規定している「望ましい農業構造」の21条、「専ら農業を営む等による農業経営展開」の22条は、地域実態とは乖離しているとの指摘があります。是正が必要ではありませんか。森山自民党PT座長、中家徹JA全中会長は「多様な担い手」明示に言及しています。

人口減少が加速する中で地域を挙げて補う体制が重要だ。ただ、具体的に担い手を想定している21条、22条の扱い、表現がどうなるかは分からない。

――2015年前後の「官邸農政」は、農水省の審議会で議論されていないテーマが突如取り上げられ、農政改革、農協制度改正が進み生産現場で混乱も生じました。生乳改革は現在の生乳需給緩和の障害にもなっています。

JA全中の一般社団化の有無、妥当性は別問題だが、農業団体の歴史的な役割が大きく変化したこともあると理解している。

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