規制改革会議 農業WGが中間とりまとめ2013年12月2日
政府の規制改革会議の農業ワーキンググループ(WG)は11月26日、8月からの議論をふまえて「今後の農業改革の方向について」を中間的な提案としてとりまとめた。
◆4組織別に改革
提案では▽農業委員会▽農業生産法人▽農業協同組合▽その他農業諸団体、の4つの事項を中心に農業改革を進めるべきとしている。
農業委員会については、耕作放棄地が増加している現状や、今後、域外参入者、農外企業など多様な担い手の参入が予想されることをふまえ、▽農地の権利移動に係る許可や農地転用に係る意見具申▽農地の適正利用の監視・監督に係る措置、といった農委業務の重点の見直しを図るべきだとしている。さらに委員の構成や選挙・選任方法、事務局体制の整備についても見直すべきだとしている。
農業生産法人については、事業規模拡大に十分に対応できるか、農業者の資金調達手段を狭めていないか、現場にとって制度が簡素で分かりやすいものになっているかの観点から改善を図ることが求められるとした。そのため、農業生産法人が地域の農業に貢献しつつ、意欲的な事業展開ができるよう「企業の農地所有に係る現場の農業関係者の懸念にも配慮しながら」現行要件の見直しを図るべきとした。
◆農協の位置付け見直し
農協については准組合員・非農業者の増加、信用事業の拡大など農協法制定当時に想定された姿とは大きく変容してきたと指摘している。
そのうえで「農業者」に最大限の奉仕をする組合組織という農協法の理念を改めて想起し、多様な関係者の調整を図るとともに▽農業者の生産力の増進や市場開拓に係る取り組み▽地域の独自性を発揮する組織の取り組みなど強化する必要がある、と提言。
それぞれの農協が個々の農業者の所得増大に傾注できるよう、コンプライアンスの充実など組織運営のガバナンスの見直しを図ることや、行政的役割の負担軽減や他の団体とのイコールフッティングを促進するなど、農政における農協の位置づけなど見直すべきだとしている。
規制改革会議は来年6月のとりまとめまで今後の検討を続ける予定。
(関連記事)
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