農協問題でヒアリング 規制改革会議農業WG2013年10月30日
規制改革会議の農業ワーキング・グループ(WG)は10月29日に第4回会合を開き「農業者・消費者に貢献する農業協同組合のあり方」をテーマに関係者からヒアリングを行った。
◆「生産調整、早くやめて」涌井氏
会合では(株)大潟村あきこまち生産者協会の涌井徹代表取締役社長と宮城大学の大泉一貫教授からヒアリングを行った。
涌井社長は大規模農家や農業法人の経営者からは「既存のJAグループの事業とは異なる専門農協としての新しい農協の役割が求められるようになっている」と指摘。全国の農業法人を組織してコスト低減や販路拡大、経営コンサル、6次産業化などに取り組むための(株)東日本コメ産業生産者連合会の設立構想を紹介した。
米を経営の主品目にしている4000ほどの農業法人を組織する方針だという。涌井氏はこの連合会の事業はJAグループと敵対するのではなく「機能分担としての役割を果たすことで日本の農業が発展し国民食料の安定生産と安定供給に貢献していきたい」などと話した。生産調整政策については「一刻も早くやめたほうがいい」と述べ、競争力ある農業をつくるには大規模化してコストを引き下げることが重要との考えを示した。
◆農協の農業振興を批判 大泉教授
大泉教授は農協組織の変容について「金融機関化」、「地域組合化」、「(子会社設立による)株式会社化」を指摘した。
こうした変容のなかで農協の農業振興への取り組みの問題として▽農業を底支えするような農業ビジョンは語られるが、農業生産力の向上や農業発展、所得の向上など成長させるための農業ビジョンについては語られることがない▽農業生産力の増進に不可欠と考えられる経営形態や経営感覚のある人材、担い手の確保についての認識が弱い▽農業人材を確保するには株式会社の参入も含め、広く国民に開かれた関係を構築すべきだが、これらに対しては消極的・否定的▽稲作偏重・米価維持・生産調整重視・行政下請け体質が根強く、市場原理への否定的意識を醸成し、政治的働きかけや、政官業のトライアングル維持のための根拠に利用している、などと批判した。
そのほか農協法改正の論点として▽准組合員のほうが多い現状をふまえ「農業者の協同組織」との組織規定をどう理解すればいいのか▽准組合員の議決権、農業者ではなくなった正組合員の資格、員外利用などをどう考えるか▽農協は総合事業と称して「ゆりかごから墓場まで」の多目的事業を展開しているが、目的は農業の生産力増大。本末転倒とならないか、などを指摘した。
◆コンプライアンス改革などを検討事項に
これらの指摘をふまえて委員からは「マネジメント能力のある人材を農協のトップにすべき」、「農協変質のポイントは准組合員の増加。これを切り離すことはできないのか」「行政の代行的役割というが行政の責任もあるのではないか」などの質問や意見が出た。 このうち准組合員が増加していることについて、大泉教授は「現実問題として(農業者に)純化することは難しい」と回答したほか、提出文書では農協の組織規定として「農村地域に資する協同組合など、公共性、共同性の視点に立った目的の定立」の必要性も提起した。
農業WGは農協については?コンプライアンス改革?行政における位置づけの明確化、を検討事項にしている。この日のヒアリングをふまえて今後の議論の方向を検討するという。
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