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2014.03.14 
永続的な地域社会、どうつくるか JA共済総研一覧へ

 JA共済総合研究所は3月12日、東京・平河町のJA共済ビルカンファレンスホールで公開研究会を開催。全国から100人が参加した。

◆過疎地域こそ、新たな社会づくり

パネルディスカッションの風景(左から)中沢教授、河合組合長、早川院長、澁澤氏、町田理事長 セミナーのテーマは、「自然と人間の協同による永続的な地域社会づくり〜食・自然エネルギー・ケアでつながる新たな生活基盤の可能性を探る〜」。同研究所が愛知県三河地域の中山間地で行っている、地域再生のための基礎研究プロジェクトの報告のほか、パネルディスカッションを行った。
 プロジェクトについては、愛知県厚生連足助病院の早川富博院長、JA愛知東の河合勝正組合長、東京農大農山村支援センターの澁澤寿一副代表の3人が報告した。
 早川院長は、「過疎や地形の問題から、それまで地域コミュニティの中心だった小中学校が消失した田舎では、人や情報が集まる病院が新たなコミュニティの場になるのは必然」だとして、同院が行っている患者の送迎や配食サービスについて紹介。「過疎地域の方がむしろ新しい思想を実現し易い。これからは75歳までが、それ以上の人々を支える社会づくり、という世界にも類を見ない地域社会づくりに先鞭をつけて取り組みたい」と、さらなる活動への意欲を述べた。

(写真)
パネルディスカッションの風景(左から)中沢教授、河合組合長、早川院長、澁澤氏、町田理事長

◆協同体を地域の中心に

 河合組合長は、JA愛知東が取り組む「相互扶助の土壌づくり」と題して、地域資源を活用した人づくりの活動を紹介。「これからの農山村は、森林資源を活用したエネルギー自給、農業生産を通じた食の自給、人々の力の相互補完の自給をすすめ、“生きる・働く・暮らす”の一体化をめざしたい」と述べた。
 また、経済的余裕、心身の健康、自己実現など「地域住民の願いをかなえる手段のひとつは組織をつくることだ」との考えから、生産部会、女性部、助け合い組織、青壮年部などJA内にさまざまな組合員組織を育成していることを報告した。
 パネルディスカッションでは、明治大学の中沢新一特任教授も登壇し、これからの地域社会づくりのあり方について討論した。中沢教授は「いま、世界中で資本主義が暴走しているが、本来は農業をベースに、その上にほかの産業を乗せなければならない」と述べ、そうした社会のビジョンづくりのためには同地域の取り組みが「一定の方向性を示してくれる」と讃えた。そして「地域を地域たらしめているのは、お金で動かない部分があるかどうかだ」として、そのためには金銭的利益を追及しないサービスで人と人とを結びつける協同体が必要だとした。
 パネラーとして登壇した町田勝弘JA共済総研理事長は「地域の人々が理解し、納得して活動できるかどうかが大事。(JAなど協同体組織の)着実な日々の活動が必要になる」と、3者の報告を総括した。


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