常総市の水田2000ha超 いまだ水引かず 収穫は困難に 低温倉庫やCEも被害2015年9月16日
JA常総ひかり
台風18号による大雨の影響で北関東や東北で大きな農業被害が出ている。9月10日に鬼怒川が決壊して濁流が流れ込んだ茨城県常総市では16日現在も2000haを超すとみられる水田が冠水したまま。JA常総ひかりでは、カントリーエレベーターなどの農業施設や支店にも被害が出ている。緊急に茨城県内のJAに聞いた。
「昨日、やっと泥かきしてパソコンを引っ張り出したような状態です」 16日早朝のJA常総ひかり職員の話だ。
濁流が常総市小山戸にある同JAの水海道地区センター。その1階には行政とワンフロア化した農業支援センターが入っている。泥の中から引っ張り出したパソコンには農地や作付け状況など基礎データが入っているという。他の部署や行政にバックアップはあるものの機能回復のめどは立たない。
水海道地区のカントリーエレベータと低温倉庫も冠水した。農業施設だけなくデイサービスセンターやATM、自動車センターなども営業休止を余儀なくされている。
8月下旬からの長雨が続き、それでも晴れ間がのぞいた土日には収穫しCEで集荷し乾燥作業も行っていた。その量は500t。「サイロまでは水に浸かっていない。この米だけなんとかなるかという状態です」。低温倉庫も冠水し、その清掃には19日から取りかかるという。
「ずっと続いた長雨の最後にどっと来た」。予想以上の「ものすごい状態」で「災害はまだ始まったばかり」というのが実感だという。
JA常総ひかり管内の水田は約3700ha。そのうち2000ha以上が冠水したとみられているが、行政による被害調査にも取りかかれていない。水が引いたのは町中だけで水田は冠水したまま。水が引き天候が回復することが待たれるが収穫が困難なことも考えられる。
常総市の西側のJA岩井。JAの施設等に被害はなかったが、利根川沿いの鵠戸沼土地改良区の水田は冠水状態が続き「稲刈りはできない」と担当者は話す。
JA茨城むつみ。担当者によると冠水したほ場の面積は「見当がつかない」という。水田をつなぐ小さな川や用排水路があちこちで決壊して現地に近づくことも困難だからだという。
冠水はしていなくても、雨続きで穂発芽も心配されるほ場もあるという。 JA竜ヶ崎では大雨被害はなかったものの、長雨で刈り取りが遅れ例年の6割しか終わっていないという。品質の劣化も懸念されている。
「天候ばかりは仕方がない...」と一様に担当者。対応の本格化はこれからになる。
(写真)茨城県の豪雨被害
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