安全保障関連法案に反対生活クラブ生協連が意見表明 2015年9月17日
生活クラブ生協連は、9月16日に、人びとの暮らしの大前提である平和を守るために「安全保障関連法案に反対します」という意見表明を行った。
生活クラブ生協連加盟生協は、すでに東京・神奈川・埼玉(2回)・千葉(2回)・山梨・兵庫がこれまでに、同法案に反対する意見を表明しているが、改めて連合会としても反対の意思を表明したことになる。
意見の要旨は以下の通り。
集団的自衛権の行使を容認するための安全保障法関連法案は、衆議院憲法審査会で参考人の憲法学者全員が違憲との認識を示したにもかかわらず、 2015年7月16日、第189回通常国会の衆議院本会議で採決が強行され可決されました。
参考人以外でも、大半の憲法学者がこの改定案は違憲との判断を示しています。「安全保障関連法案に反対する学者の会」のアピールに賛同する学者・研究者も、分野や立場を超えて広がり1万人を超えています。
多くの国民の反対・憂慮の声を無視し、 参議院で再び強行採決することは、民主主義国家として恥ずべきことです。
日本政府は、集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法によって、日本国憲法第9条の効力を無力化しようとしています。憲法に則って制定・運用されるべき法律によって憲法を無力化させることなど、 民主主義の前提となる立憲主義を揺るがし、あってはならないことです。
2015年は、戦後70年の節目の年にあたります。いかなる戦争にも大義などありません。尊い命を奪い合う愚かな道を日本が二度と歩んではならない、どれだけ時が経とうとも、決して忘れてはならないことです。日本が70年間、攻めることも攻め込まれることもなく、一人の戦死者もださなかったのは、日本国憲法が実効性のある平和憲法であるからです。この事実を世界に伝え、不戦の意思を広げていくことこそ、世界の人々に期待されている日本の役割ではないでしょうか。日本政府に対して、武力によらない平和外交でのリーダーシップを求めます。
私たちは、「FEC自給圏」構想(F=食料、 E=エネルギー、 C=ケア)にもとづき、国内・地域での自給力向上をめざす活動に取り組んでいる生活協同組合です。これまで、国内の生産者とともに食料の自給力向上に取り組み、国外の生産者とも健全で対等な交易関係をつくってきました。2011年の原発事故以降は、エネルギーの自給力向上にも取り組んでいます。自給力の低い日本が、自らのために他国から食料を買い漁らなくてすむように、そして、食とエネルギーを、未来の世代から奪わないためにです。また、協同組合の連携をはじめとして、市民レベルの国際交流をつうじて平和をめざす活動をすすめています。
今回の法案は、こうした市民の自発的で自由な未来の社会づくりの土台が覆される事態と憂慮します。今の日本社会を構成する主体として、私たちは、子どもたち、またその子どもたちの「殺さない権利」「殺されない権利」を守り抜く責任があります。そしてサステイナブルな環境と社会を手渡すことにこそ、最大の知恵と努力を傾けるべきだと考えます。
私たちは、 生活クラブ連合憲章のなかで、「人びとが、能動的で豊かな生存・生活を獲得するために、平和と環境諸条件の保全および改革をめざし、地域協同社会の民主的で、自立的な発展に寄与します。」と宣言しています。この協同組合としての考え方に則り、人々の暮らしの大前提である平和を守るために、私たちは、安全保障関連法案に反対します。そして、近い将来に政治焦点として浮上するであろう憲法第9条の改定を狙う動きに対して強い危惧を表明します。
(以上)
(関連記事)
・「安保法案」を廃案に 全国の多くの生協が意見書 (15.08.31)
・「パルシステム平和の願い」を表明 (2015.07.22)
・安保法制関連法案を今回で廃案に コープネット事業連が意見書 (2015.07.21)
・安保法制関連法案での性急な議論に反対表明 パルシステム (15.05.18)
重要な記事
最新の記事
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】「盗人に追い銭」「鴨葱」外交の生贄にしてはならぬ農産物2025年5月2日
-
【2025国際協同組合年】情報を共有 協同の力で国際協力 連続シンポスタート2025年5月2日
-
イネカメムシが越冬 埼玉、群馬、栃木で確認 被害多発の恐れ2025年5月2日
-
九州和牛をシンガポール人に人気のお土産に 福岡空港で検疫代行サービスを開始 福岡ソノリク2025年5月2日
-
就労継続支援B型事業所を開設し農福連携に挑戦 有機農家とも業務提携 ハピネス2025年5月2日
-
宮崎ガス「カーボン・オフセット都市ガス」 を県庁などに供給開始 農林中金が媒介2025年5月2日
-
5月29日から「丸の内 日本ワインWeeks2025」開催 "日本ワイン"を学び、楽しむ3週間 三菱地所2025年5月2日
-
協同心の泉 大切に 創立記念式典 家の光協会2025年5月2日
-
【スマート農業の風】(14)スマート農業のハードルを下げる2025年5月2日
-
(433)「エルダースピーク」実体験【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年5月2日
-
約1cm程度の害虫を強力捕獲「吊るしてGET虫ミニ強力タイプ」新発売 平城商事2025年5月2日
-
農中情報システム 自社の導入・活用のノウハウを活かし「Box」通じたDX支援開始2025年5月2日
-
洗車を楽しく「CRUZARD」洗車仕様ホースリールとノズルを発売 コメリ2025年5月2日
-
戦後80年の国際協同組合年 世代超え「戦争と平和」考える パルシステム神奈川2025年5月2日
-
生協の「地域見守り協定」締結数 全市区町村数の75%超の1308市区町村に到達2025年5月2日
-
ムコ多糖症ニホンザルの臨床徴候改善に成功 組換えカイコと糖鎖改変技術による新型酵素2025年5月2日
-
エフピコ×Aコープ「エコトレー」など積極使用で「ストアtoストア」協働を拡大2025年5月2日
-
JA愛知信連と高機能バイオ炭「宙炭」活用に関する協定締結 TOWING2025年5月2日
-
5月の野菜生育状況と価格見通し だいこん、はくさい、キャベツなど平年並み 農水省2025年5月2日
-
「ウェザーニュースPro」霜予測とひょう予測を追加 農業向け機能を強化2025年5月2日