小泉氏「山を一緒に登っていこう」-JAグループに呼びかけ2016年9月15日
自民党の農林水産業骨太方針策定PTは9月13日に「生産資材価格の引き下げ」について農林水産省からの説明を受けて本格的な議論を再開した。会合終了後、小泉進次郎PT委員長はPTが再開される前の9月5日に全中や全農と改革の必要性を共有したことを改めて強調し、「山を一緒に登っていこうというメッセージを投げながらどこまでいけるかだ」と述べJAグループの自己改革の実践に期待した。
会合では肥料の銘柄数の多さや農薬登録の規制、農機業界の寡占状態などの問題点が農水省から指摘された。生産資材価格の韓国との比較も報告された。
出席した議員からは「政治の市場介入になるのではないか。どこまでやるべきか決めなくてはならない」という意見や「そもそも韓国とくらべることが適当か。方向性を間違うと安かろう、悪かろうという話になってしまう」などの意見があった。
また、肥料の銘柄が多くなったことについて「農家が自分にあったものをという声にJAが応えてきたから」、「銘柄が増えたことで省力化や高い生産性を実現できた面もある」などの指摘もあったが、同時に「メーカーが企業として健全な経営になっているのか、薄利多売で賃金も上げられない状況になっていないか」と生産資材メーカーの経営にも目を向ける必要性も指摘された。
改革の目的が農業者の所得向上にあることから「コストが下がれば農産物、食品はもっと安くできるではないかという話になってはいけない」、肥料の銘柄数を集約する問題についても「こだわって農産物を作っている人が、それができなくなるようでは強みが失われてしまう。元も子もない」との意見もあった。
そのほか農業者が安い資材を求める声がこれままであまり上がっていなかったのではないかとして「市場原理が働いていない」との複数の意見もあった。
会合後、小泉氏は記者団に対して「なぜ、市場原理が働かないか、なぜ農家のみなさんから一円でも安いものをという声があがってこないのか、そこに関心が集まったことは議論を進めていくいいきっかけだった。
マーケットメカニズムを働かせて健全な市場を形成しなければならない。ただ、強権的に国が出ていくことがマーケットを歪めないかという声はその通りだと思う」となどと述べた。
また、生産資材価格について「適正な価格のものを何が何でも強引に下げていくだということは考えていない。一方でそもそも今の価格が適正かどうか議論をしたことがあるか。かりに一円でも安く買えるところがあると分かった場合、障害なく一円でも安いところから買える環境はあるのか、と問いたい」として、生産者とJAとの関係も視野に、農業者の自由な選択が実現しているかどうかを問題にしていく考えを改めて示した。
そのうえでJAグループの自己改革の取り組みについて、実需者への精米販売の拡大などを打ち出したことを評価。
「農業者にとってはシンプルなほうがいい。歓迎すべきこと。ただ、それだけでいいのかといえばそうではない」として、人口減少でマーケット縮小していく国内市場だけではなく「世界のマーケットを視野に入れながら1円でも農業者の手取りを上げるために構造改革を進めていくか、あるべき流通の姿を作りあげていくことは不可欠だ」と強調し、そのために「ありがたいことにその思いを共有した。改革はこれで終わりではないと奥野会長も明確に言っている。厳しい言葉をかけるよりも山を一緒に登っていこう、そういったメッセージを投げながらどこまで行けるかだ」、「登山口まで一緒に行くのがいやだと言っていた人たちに登山口まで一緒に行ってもらった。登れば登るほど空気が薄くなって苦しい、これ以上登りたくないなというときに、あと一歩、あと一歩とそうすれば頂上からしか見えない景色が見えるだろう、そういう風に歩んでいこうということ」とJAグループの改革実践に期待した。
同時に安倍首相や菅官房長らが全農の事業見直しなど積極的に発言していることをふまえ、「政府一体となった後押しが明確になってきた。農業改革は政府全体として日本の経済発展にとって重要というメッセージがしっかりとあるなかで、今後の取りまとめに向けた議論をしていきたい」などと語った。
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