「静岡ワサビ」と「徳島にし阿波」が世界農業遺産に2018年3月13日
農林水産省は3月9日、静岡県わさび栽培地域と徳島県にし阿波地域が、世界農業遺産に認定されたと発表した。
同省は昨年3月、宮城県大崎地域、静岡県わさび栽培地域、徳島県にし阿波地域の3地域からの世界農業遺産認定の申請を承認し、国連食糧農業機関(FAO)に申請書を提出していた。FAOはそれを受けて厳正な審査を行い、その結果、今回、静岡県同地域と徳島県同地域を世界農業遺産に認定した。宮城県大崎地域に対しては昨年11月にすでに認定済みだ。
認定地域に対しては、4月19日、伊ローマ市で開催のGIAHSインターナショナルフォーラムで認定証が授与される。
世界農業遺産とは、世界的に重要かつ伝統的な農林水産業を営む地域を国連食糧農業機関(FAO)が認定する制度で、
(1)食料と生計の保障、(2)農業生物多様性、(3)地域の伝統的な知識システム、(4)文化、価値観および社会組織、(5)ランドスケープとシースケープの特徴といったFAOが定めた5つの基準と保全計画にもとづいて評価される。
2018年3月現在では、世界で19カ国49地域、日本では今回の認定を含めて11地域が認定されたことになる。
認定された各地域の特長は次の通り。
【静岡わさび栽培地域】
わさび栽培発祥の地である同地域では、山間地の沢に階段状のわさび田を作り、豊富な湧水を利用、肥料を極力使わずに湧水に含まれる養分でわさびを栽培する伝統的な農業が継承されている。また、わさび漬けなどの加工品をはじめ、わさびを使った独特の食文化が地域に根付いている。
○問い合わせ先:静岡県経済産業部農業局農芸振興課
○TEL:054-211-3299まで
【徳島にし阿波地域】
急傾斜地でありながら、カヤのすき込みによる土壌流出の防止や独自の農具を使用した耕作技術で段々畑を作らずに急傾斜の農地で農業を営む点が同地域の特長だ。雑穀や野菜などの地域固有品種の栽培や日本の原風景ともいえる山村景観、農耕にまつわる伝統行事なども継承されている。
○問い合わせ先:徳島県つるぎ町役場商工観光課
○TEL:0883-62-3111
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