映画「武蔵野」を上映-大都市圏の日本農業遺産2018年3月12日
日本農業遺産に認定された埼玉県南西部の平地林を活用した循環型農業に取り組む地域の農家の人々の姿などを描いたドキュメンタリー映画「武蔵野」がこのほど完成し、近く上映会が開催される。
埼玉県南西部の武蔵野地域で360年前の江戸時代から行われている落ち葉堆肥を使った伝統農法を継承してきたこの地域は2017年、大都市圏で唯一、日本農業遺産に認定された。映画は大都市近郊の平地林が、いかにして守られてきたかを紹介する。
落ち葉堆肥農法は江戸時代の5代将軍・徳川綱吉に仕えた柳沢吉保が雑木林の造成を勧めたのが始まり。やせた原野を落ち葉堆肥で肥沃な農地に変えた。
しかし、首都圏に近いため、開発が進み、徐々に姿を消しつつあった。これに危機感をもった市民が農家を応援し、工芸作家たちが間伐材で家具や日用雑貨品を製作するなど、支援の輪が広がり、今回のドキュメンタリー映画「武蔵野」となった。
四季の移り変わる武蔵野の風景と、ヤマ(平地林)とともに、江戸時代から変わることなく、続いてきた農家の営みを描く。監督の原村政樹氏は「この地の農家の人たちは時代に対応しつつも、変えてはならない貴重な"農の文化"をしなやかに守り続けてきたのです。それは日本だけではなく、世界中の人々にとっても、人類の生きた遺産として、後世に残したい宝物だと思えてなりません」とコメントしている。
作家の村上龍氏は「人々は心の底からの、しかも慎ましい笑顔を見せています。幸福、喜び、楽しさ、そんな言葉では表せない笑顔です。わたしたちが本来持っていた基調で希少な"笑顔"に、この映画であることができます」と推薦している。 語りは小林綾子、音楽は鈴木光男。
上映会の予定は次の通り。
▽3月17日(土)
○場所:コピスみよし(三芳町文化会館)
○住所:埼玉県入間郡三芳町大字藤久保1100-1
○時間:(1)午前10時30分、(2)午後2時30分、(3)午後6時の3回上映。
▽4月14日(土)~27日(金)
○場所:川越スカラ座
○住所:川越市元町1-1-1
料金等の問い合わせ先:映画「武蔵野」製作委員会
TELまたはFAX:049-242-4811(鈴木宅)
E-mail:suzutoshi0620@nifty.com
後援は川越市、所沢市、狭山市、ふじみ野市、三芳町、武蔵野の落ち葉堆肥農法世界農業遺産推進協議会。
協賛はアグリエイティブネットワーク、JAいるま野、生活クラブ生協(埼玉)。
(関連記事)
・SDGsへの貢献でシンポ(18.02.05)
・世界農業遺産および日本農業遺産で申請募集(18.01.17)
・日本農業遺産を認定-農林水産省(17.03.15)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(164)-食料・農業・農村基本計画(6)-2025年10月18日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(81)【防除学習帖】第320回2025年10月18日
-
農薬の正しい使い方(54)【今さら聞けない営農情報】第320回2025年10月18日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第114回2025年10月18日
-
【注意報】カンキツ類に果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 高知県2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(1)2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(2)2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(3)2025年10月17日
-
25年度上期販売乳量 生産1.3%増も、受託戸数9500割れ2025年10月17日
-
(457)「人間は『入力する』葦か?」という教育現場からの問い【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年10月17日
-
みのりカフェ 元気市広島店「季節野菜のグリーンスムージー」特別価格で提供 JA全農2025年10月17日
-
JA全農主催「WCBF少年野球教室」群馬県太田市で25日に開催2025年10月17日
-
【地域を診る】統計調査はどこまで地域の姿を明らかにできるのか 国勢調査と農林業センサス 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年10月17日
-
岐阜の飛騨牛や柿・栗など「飛騨・美濃うまいもん広場」で販売 JAタウン2025年10月17日
-
JA佐渡と連携したツアー「おけさ柿 収穫体験プラン」発売 佐渡汽船2025年10月17日
-
「乃木坂46と国消国産を学ぼう!」 クイズキャンペーン開始 JAグループ2025年10月17日
-
大阪・関西万博からGREEN×EXPO 2027へバトンタッチ 「次の万博は、横浜で」 2027年国際園芸博覧会協会2025年10月17日
-
農薬出荷数量は0.5%増、農薬出荷金額は3.5%増 2025年農薬年度8月末出荷実績 クロップライフジャパン2025年10月17日
-
鳥取県で一緒に農業をしよう!「第3回とっとり農業人フェア」開催2025年10月17日
-
ふるさと納税でこどもたちに食・体験を届ける「こどもふるさと便」 IMPACT STARTUP SUMMIT 2025で紹介 ネッスー2025年10月17日